解説記事・声明等

#難民の送還ではなく保護を – 入管法改正案へのキャンペーン ※ キャンペーンまとめを追記しました。

(Updated: 2023.7.18)

なぜ、入管法改正案は問題なのか?

難民不認定になった人を強制送還することがなぜ問題なの?

日本では難民認定が適切に行われていないため、難民不認定になっており、そうした人を送還することは命にかかわるからです。

▽こちらの記事では、難民・難民申請者の送還について、事例とともに解説しています。

難民認定された人のうち、国外退去処分がでていた人は、2010年~21年で48人(7人に1人程度の割合)にのぼります。

入管庁は送還忌避者(国外退去に応じない人)を課題として、強制送還を可能にすべく入管法を改正しようとしていますが、国外退去の処分となった人の大半は帰国しています。残りの帰れない事情のある人の中には、難民として保護されるべき人も含まれています。上記リンクで紹介している難民認定を受けた女性も、当時は送還忌避者とみなされる人でした。

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命に関わるといえる難民審査ですが、日本でこれを担っている入管庁の審査には多くの問題が指摘されており、独立した機関によるチェックもありません。結果、送還に深刻な危険を伴う人にも滞在を認めない判断が下され、難民保護の機能が果たされていない、難民を送還するリスクが高い状態にあります。

弁護士同伴の可否録画・録音の可否
ドイツ
米国×
フランス
カナダ
英国
韓国
日本××
出典:難民研究フォーラム「難民認定申請者に対する面接の実施方法 各国比較」

日本の難民審査には、透明性・公正性の観点で課題が多くあります。一次審査の面接に弁護士の同席が認められず、録音・録画もされないため、入管庁の審査が適切か第三者が確認できません。他国では録音・録画データを申請者に共有することも行われています。

公正な難民認定のため、他国では入管行政から独立した組織が難民認定を行ったり、独立性が法律に明記されることが多いですが、日本では一次審査も、不服申し立ての手続き(審査請求)も入管庁が担っており、独立性・専門性の観点でも問題があります。

日本で難民認定が適正に行われていないことは、難民認定数に如実に表れています。例年、難民申請をする人の99%以上が不認定とされています。国籍の偏りも大きく、たとえ命に関わる状況や深刻な人権侵害であっても過小評価されています。

すべての人が難民認定に向けた手続きに精通した弁護士の助けを得られるわけではなく、裁判を起こせる人も一部です。1回目の難民申請で適正な判断がされないため、難民として保護を必要としている人は、難民申請を繰り返すほかありません。

日本の難民認定数が少ないのは、難民ではない人ばかりが申請しているからでは?

やむを得ず複数回の難民申請をせざるを得ない現状が分かる具体的な事例の一部をご紹介します。

【事例】女性の権利を守る活動を理由にエチオピア当局より拘束・暴行。2008年に来日し難民申請。証拠として女性協会の会員証、出頭要請書、指名手配書を提出するも、入管はそれらの証拠価値がないとして2011年に難民不認定。この判断をめぐる裁判の結果、10年越しで難民認定されました。

【事例】スリランカで少数派のタミル人男性は、スリランカ内戦で経営する工場に爆弾が仕掛けられたり、親戚が殺される被害にあい、政府から度々拘束されたことから2006年に日本に逃れ難民申請するも不認定に。

不服として起こした訴訟で勝訴したにも関わらず、入管庁は彼が日本で難民認定を求めている間にスリランカ情勢は好転し、迫害される可能性がなくなったとして再び難民不認定に。

2度目の訴訟で東京高裁は「安定的に迫害の恐れが消滅したとは立証されていない」と国に難民認定を命じる判決をだし、彼は2度の不認定を経て13年越しで難民認定されました。

https://www.asahi.com/articles/ASM8R4DV0M8RUTIL011.html

難民認定がほとんどされない日本になぜ来るの?他の国に行けばよいのでは?

日本をあえて選ぶというよりは、逃げる先を探すなかで、最初に日本のビザ(入国のための査証)が下りたからといった理由が多いです。詳しくはこちらからご覧ください。

事例の一部を紹介します。

【事例】2023年3月、難民認定を求めた訴訟で勝訴したウガンダ出身の女性も、日本に逃れてきた理由として、ブローカーから取得できたビザは日本のみで、日本の場所もしらなかったが、「来たチャンスに飛びつくしかなかった」と話しています(参考記事)。

【事例】事前に日本の難民受け入れ状況を調べ、その少なさに愕然とした上でも差し迫る危険と天秤にかけて、日本に来ることを選ぶ人もいます。

迫害から逃れる先を探す人の状況はそれほどに逼迫しているのです。

法改正により強制送還されてしまうかもしれない人はどのような人なのか

ジェームスさんの声からも想像してみてください。

https://www.refugee.or.jp/20th/2-james.shtml

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難民の送還をすすめるのではなく、まずは適正な難民保護制度の確立が必要です。

日本に助けを求めてきた難民を、適切な審査もなく迫害の待つ地に送り返すような国にしないために。

そのほか、難民に関してよく聞かれる、さまざまな質問にお答えしています。

全12問:画像をクリックしてください。

入管法に関する記事

当会の発信した入管法に関する解説記事や声明などを、以下からご覧ください。