解説記事・声明等

東京出入国在留管理局との意見交換会報告

2021年12月15日、国会議員11名(阿部知子 衆議院議員、石川大我 参議院議員、石橋通宏 参議院議員、小沢雅仁 参議院議員、木村英子 参議院議員、近藤昭一 衆議院議員、高良鉄美 参議院議員、福島みずほ 参議院議員、舩後靖彦 参議院議員、山添拓 参議院議員、吉田晴美 衆議院議員)同席の下、東京都港区の東京出入国在留管理局(以下、東京入管)にて面会活動を行っている団体・個人8名で、東京入管との意見交換会を行いました。

過去の意見交換会の報告はこちらからご覧ください:2020年(東日本入国管理センター)2019年(東京出入国在留管理局)2018年(東日本入国管理センター)2016年(東日本入国管理センター)

また、難民申請者の収容に関する課題は、こちらで詳しく解説しています。

以下、意見交換の中で「概数として」提供された数字をご報告いたします。

【事前質問】以下の質問について、事前に書面での回答をお願いいたします。

 1.予算・人員・施設概要等

(1) 収容に係る予算

  ①  2019年度
  ②  2020年度
  ③  2021年度

答 予算は予算科目に従って支出をしているところ、収容に係る予算として予算科目が定まっているものではないため、収容に係る予算を取り出して特定することは困難です。 
(2) 職員数(課・部門ごと)(2021年度。外部委託事業があれば、その内訳を含む)
答 東京局管内における職員数は2,651人ですが、各課・部門における職員数については、その時々の業務の状況に応じて随時職員の配置を見直しているため、一概にお示しすることは困難です。
  なお、ガードマン等の外部委託業者の職員数については、保安上の支障が生ずるおそれがあることから、回答は差し控えさせていただきます。
(3) 現在利用されているブロック数および利用されていないブロック数
答 現在常時利用しているブロック数は12ブロックです。
  利用されていない4ブロックは発熱者やPCR検査の結果が未了の被収容者等を他の被収容者と分離する必要がある場合などに利用しています。
(4) 被収容者の一日のスケジュール
答 被収容者処遇細則に規定する日課は以下のとおりです。
  7時        起床
  7時30分     清掃
  8時        朝食
  9時        朝の点呼
  12時       昼食
  17時       夕食
  21時       夜の点呼
  22時       就寝
 なお、午前9時30分〜午後4時30分の間(午後12時〜午後1時を除く)、開放処遇を実施しています。

2.被収容者の内訳(現時点)(12月10日現在)

(1) 総人数・男女別人数
答 67人 (男)
(2) 性的マイノリティの人数
答 0人
(3) 未成年者の被収容者について

  ①  人数(18歳以上と18歳未満でそれぞれの人数)
  ②  過去2年間で未成年者の収容実績があれば、その年齢別内訳と収容期間

答 ① 18歳以上が67人、18歳未満が0人
 ② 過去、未成年者の収容事実はありますが、年齢別内訳や収容期間は統計をとっていないため、回答することはできません。
(4) 国籍別内訳
答 ベトナム:  36人
 中国:    6人
 ブラジル:  4人
 イラン:   3人
 フィリピン: 3人
 ペルー:   3人
 スリランカ: 2人
 タイ:    2人
 ナイジェリア:2人
 ネパール:  2人
 カメルーン: 1人
 ギニア:   1人
 マレーシア: 1人
 中国(香港):1人
(5) センターに来る前の収容先(移送元)の内訳

  ①  東日本入国管理センター
  ②  成田空港支局
  ③  羽田空港支局
  ④  名古屋入国管理局
  ⑤  大阪入国管理局
  ⑥  その他


 羽田空港支局      4人
 名古屋出入国在留管理局 3人
 仙台出入国在留管理局  1人
 成田空港支局      1人
(6) センターに移送されてきた時点で難民申請を行っていた者の数(センターは東京局に読み替え)

 成田空港支局      1人
(7) 庇護を求めている者(難民申請を行っている者)の数

  ①  難民認定申請手続
  ②  審査請求(異議申立)手続中
  ③  ①②は終了しているが、難民関係訴訟を行っている者

答 集計中のため、回答することができません。
(8) 官費による架電許可本数、許可の理由別内訳
答 集計中のため、回答することができません。
(9) 収容期間別内訳

  ①  1日以上3か月未満
  ②  3か月以上6か月未満
  ③  6か月以上1年未満
  ④  1年以上1年6か月未満
  ⑤  1年6か月以上2年未満
  ⑥  2年以上2年6か月未満
  ⑦  2年6か月以上3年未満
  ⑧  3年以上3年6か月未満
  ⑨  3年6か月以上4年未満
  ⑩  4年6か月以上5年未満
  ⑪  5年以上
  ⑫  被収容者のうち最長収容期間の者の収容期間
  ⑬  平均収容期間

答 集計中のため、回答することができません。

3.自殺・自殺未遂・自傷行為に関して

(1) 被収容者の A 自殺件数・B 自傷行為(自殺未遂含む)の件数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 ① 2019年 A―0件 B― 17件
 ② 2020年 A―0件 B―8件
 ③ 2021年 集計中のため、回答することができません。
(2) カウンセラー・精神科医の診療体制と利用実績

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 非常勤のカウンセラー3人を配置しており、交代で毎週火曜日13時からカウンセリングを実施しています。また、非常勤の精神科医が交代で毎週火曜日13時から精神科診療を行っています。

  各年ごとの実績は以下のとおりです。

【カウンセリング】
 ①2019年  121件
 ②2020年  116件
 ③2021年 集計中のため、回答することができません。

【精神科診療】
 ①2019年  557件
 ②2020年 1157件
 ③2021年 集計中のため、回答することができません。

 

4.仮放免について

(1) 仮放免申請件数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)


 2019年 1,830件
 2020年 4,727件
 2021年 集計中のため、回答することができません。
(2) (1)のうち、申請の許可処分・不許可処分の件数

         許可           不許可
 2019年 1,140件        698件
 2020年 4,358件        373件
 2021年 集計中のため、回答することができません。
  (注)前年からの繰り越し、終止処分等があるため申請件数と許可・不許可件数は合致しない。
(3) (1)のうち、仮放免申請から結果が出るまでに要した期間

  ①  1か月未満
  ②  1か月以上2か月未満
  ③  2か月以上3か月未満
  ④  3か月以上
  ⑤  最長期間
  ⑥  平均処理期間


              2019年   2020年
① 1か月未満         60件    117件
② 1か月以上2か月未満   222件    159件
③ 2か月以上3か月未満   493件    222件
④ 3か月以上         26件     55件
⑤ 最長期間         147日    182日
⑥ 平均処理期間        61日     55日
※ 2021年分については、現在集計中のため、回答することができません。
(4) (1)許可処分について、当該被収容者がそれまでに仮放免申請を行った回数

  ①  1回
  ②  2回
  ③  3回以上
  ④  最大回数
  ⑤  平均回数

答 統計をとっていないため、回答することはできません。

5.送還について

(1) 自費被送還数・国費被送還数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 ① 2019年 自費出国 19人、国費送還115人
② 2020年 自費出国149人、国費送還111人
③ 2021年 集計中のため、回答することができません。
(2) 送還忌避者の被送還数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 統計をとっていないため、回答することはできません。
(3) (1)(2)のうち、チャーター機による被送還数

① 2019年 なし
② 2020年 30人
    ※2020年3月10日、スリランカ人30人
③ 2021年 集計中のため、回答することはできません。
(4) (1)(2)(3)のうち、難民申請歴がある者の数
答 統計をとっていないため、回答することはできません。

 

6.医療体制について

(1) 医療体制の詳細(常勤・非常勤別の勤務医の体制)
答 本年4月1日に採用した常勤医師1人(循環器内科)のほか、非常勤医師13人(内科(消化器科)、内科(糖尿病)、外科(消化器科)、皮膚科及び精神科)が輪番により、毎日庁内診療を実施しています。
 なお、木曜日には、訪問歯科診療を実施しています。
(2) 看護師・准看護師・准看護師資格を持つ職員の数
答 非常勤の看護師が2人在籍しています。また、准看護師資格を有する入国警備官が3人在籍しています。
(3) 庁内診療数・庁外診療数・緊急搬送件数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 ① 2019年 庁内 8,180件、庁外 827件(うち救急搬送 4件)
 ② 2020年 庁内 4,764件、庁外 389件(うち救急搬送 2件)
 ③ 2021年 集計中のため、回答することはできません。
(4) (3)のうち、医療費を被収容者の自己負担とさせたケースがあれば、その件数と理由
答 医療費を自己負担させたケースはありません。
※ 2021年の件数については(3)のとおり、集計中のため、回答することはできません。
(5) 施設内の常備薬が使用された件数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 ① 2019年 13万7,310件
 ② 2020年  8万0,779件
 ③ 2021年  集計中のため、回答することはできません。
(6) 被収容者のうち、睡眠導入剤を投与されている人の割合(現時点)
答 集計中のため、回答することはできません。

7.願箋について

(1) 願箋(診療に関する被収容者申出書)を示されたい。
答 別添当該申出書のとおり
(2) 被収容者は、願箋をどのように入手することができるか。また、その入手方法は、収容時に被収容者に対してどのように説明されているか。
答 被収容者が診療を希望した際は被収容者申出書を常時交付し、受け付けています。
(3) 診療に関する被収容者申出書の決裁過程。「令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書」公表後、決裁過程の見直しが行われていれば、その内容もあわせて示されたい。

  ①  許可案件の場合
  ②  不許可案件の場合

答 ① 許可案件の場合
組織として要領を定め、被収容者から診療を希望する申出書が提出された場合には、看守勤務者から直ちに看守責任者を通じて首席入国警備官に報告することで情報を共有するとともに、申出書の写しを常勤医師に提供し、診療に関する指示を仰いでいます。

また、夜間や休日など幹部職員や医師が不在のときに申出書が提出された場合には、その内容が総務省消防庁作成の救急受診ガイドの黄色の項目に該当するときは、看守責任者が常勤医師に連絡して指示を仰ぐとともに、その状況を首席入国警備官に報告しています。

 ② 不許可案件の場合

   被収容者からの庁内診療の申出は全件許可としています。

(4) 願箋のA 交付件数・B 提出件数・C 申出に対する不許可件数とその理由

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 統計をとっていないため、回答することはできません。
(5) 願箋の提出から受診までの A 平均日数・B 最長日数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 統計をとっていないため、回答することはできません。
(6) 願箋が提出されてから3日以内に医師による診療を受けられなかった件数

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 統計をとっていないため、回答することはできません。

  なお、本年4月に常勤医師が配置されたため、被収容者から受診の意思表示があれば、その場で被収容者から申出書を提出させ、原則として当日中に診療を実施しています。また、急を要する場合は、被収容者から被収容者申出がなくても、直ちに診療を実施しています。

8.面会について

(1) 面会スペースの数・面会方法・面会可能時間帯を示されたい。
答 面会室の数は、領事面会室2室及び一般面会室21室のほか、領事官、弁護士を対象としたオンラインでの面会の際に使用する部屋が2室あります。
 面会は、1回につき原則30分以内です。
 面会受付は、平日8時40分から11時まで及び12時40分から15時までですが、受け付けた面会は15時以降も実施しています。
(2) 面会件数(うち領事・弁護士・家族・オンラインによる面会件数)

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)


① 2019年 3万9,739件(うち領事及び弁護士 876件)
② 2020年 1万7,426件(うち領事及び弁護士 506件)
③ 2021年 集計中のため、回答することはできません。
 なお、「領事面会数」及び「弁護士面会数」は、個別の統計をとっていないため、合数となります。「家族による面会数」は、統計をとっていないため、回答することはできません。また、これまで当局の被収容者に対するオンラインによる面会実施はありません。
(3) 家族面会室の使用件数および家族による面会申込数を示されたい。
答 統計をとっていないため、回答することはできません。

9.食事について

(1) 1食あたりの食事の予算はいくらか。また、業者選定にあたり、競争入札は行われているか。
答 食事について、各食660円(税込み)、1日3食1,980円(税込み)です。業者選定に当たっては、一般競争入札を行っています。
(2) 官給食許否件数と、参加者の訴えを認めて処遇を改善したケースがあれば、その内容を示されたい。

  ①  2019年
  ②  2020年
  ③  2021年(現時点まで)

答 ① 2019年 21件
 ② 2020年  5件
 ③ 2021年 集計中のため、回答することはできません。
なお、参加者の訴えを認めて処遇を改善したケースはありません。
(3) 現時点で官給食の摂食を拒否している者の数
答 集計中のため、回答することはできません。

10.   新型コロナウイルス感染への対応ついて

(1) 収容施設における現時点までの感染者数
答 集計中のため、回答することはできません。
(2) 本年2月のクラスター発生への対応

  ①  相談センター等への相談を行った被収容者の数
  ②  指定医療機関での診療を行った被収容者の数
  ③  2月15日の感染判明を受けて、感染が疑われる者と被収容者との接触回避(居室の変更等)は、いつ、どのように行われたか
  ④  感染が疑われる者やPCR検査陽性となった者、その他クラスター発生に伴い不安を抱える被収容者に対して、心理面のケアは行われたか

答 ① 58人
 ② 2人
③ 2月15日のPCR検査で陽性が判明した被収容者については、当日のうちに感染区として運用する収容区に移し、他の被収容者との接触を回避しました。また、PCR検査の結果が陰性であっても、発熱等の注意すべき症状がある者については、発熱区として運用する収容区に移しました。
人の移動によって感染が拡大することを防ぐため、全ての収容区の居室を施錠して被収容者同士の接触を制限し、収容区をまたぐ移動も停止しました。その後も保健所の指導を受けながら、順次被収容者に対するPCR検査を実施し、陽性が判明した者については直ちに感染区に移して他の被収容者との接触を回避しました。
感染者は、感染区で10日間経過した後、無症状の状態が72時間続けばPCR検査を行い、陰性となればステップダウン区として運用している収容区に移し、再度72時間経過後にPCR検査で陰性となれば、つまり、2回続けて陰性となれば通常の収容区へ移しました。
④ 保健所及び医師から指示に基づき、感染が疑われる者については速やかにPCR検査を実施するとともに、医師による対面での診療や、対面診療が困難な感染者には電話による診療を積極的に実施し、体調不良を訴える被収容者の不安解消に努めました。また、PCR検査で陽性から陰性に転じて療養期間が解除となった者に対しては、新型コロナウイルス感染後の後遺症に対する不安を少しでも解消するため、医師に対面で健康相談をする機会を提供しましたほか、症状が発現する者に対しての容態観察にも取り組みました。
 (注)令和3年2月の集団感染者数は58人

 

11.   その他

(1) 収容施設内での生活に関する案内があれば、被収容者への配布方法とあわせて、示されたい。
答 各居室に生活全般の手引きとして別添のとおり「生活案内」を配備しています。
(2) 収容施設での使用にあたり誓約書への署名が必要なものがあれば、そのフォームと共に示されたい。
答 CDプレーヤー及び電子辞書を収容場内で使用する際に、それぞれの約束事を守らせることを担保するために誓約書があります。(別添当該誓約書のとおり)
(3) 外部との電話の設置台数・使用許可時間帯を示されたい。また、フリーダイアルの使用は可能か。
答 収容場内の電話の設置台数は91台です。また、電話の使用可能時間帯は、9時30分から12時00分、13時00分から16時30分までの間に加え、17時00分から20時30分までの間に順番で通話が可能です。なお、フリーダイヤルの使用はできません。
(4) 被収容者とのコミュニケーションにおいて通訳を利用した回数と言語、通訳に支払った経費の合計(2020年度)
答 通訳は積極的に利用していますが、統計をとっていないため、回答することはできません。

以上