活動レポート

2021年 夏の支援のご報告(期間:2021年6月1日~8月31日)

▲写真:電話やメールなどでも、一人ひとりに向き合う支援を続けています。

この夏、新型コロナの感染者数が増える中、JARでは難民の方々への従来の支援を続けながら、ワクチン接種についての案内や、東京オリンピック・パラリンピックの影響によりJARに来訪する方が増える可能性に備えた準備を行いました。

オリンピック開催に伴う来日者数は、コロナ禍の影響で当初の予定よりかなり制限されましたが、過去には日本で開かれた国際会議の影響でJARへの来訪者数が急増したこともあり、多数の方々への対応を想定した場所の確保などの準備を進めました。また、スタッフのワクチン接種も、企業の協力を得て順次進めました。
実際には開催に伴う来訪者数の増加はほぼありませんでしたが、一方で、大会の前後を含め、選手などが日本や他国に庇護を求めることがあり、報道でも大きく取り上げられました。これらの方々に適切な保護がなされるよう、対応する機関や個人に向けてSNSで呼びかけるとともに、メディア関係者に向けて、難民保護の妨げとならない取材・報道のために注意すべき点をまとめた文書を公開しました。

8月後半には、アフガニスタンでのタリバンの政権掌握を受けて、日本国内外からの相談が相次ぎました。日本で難民申請中の方をはじめ、留学生など日本に暮らすアフガニスタン人の方、アフガニスタンにいる方々からも、自分自身や家族・知人の保護を求める相談が寄せられました。こうした相談に応じるとともに、JARは他の2団体と連名で声明を出し(13団体が賛同)、アフガニスタンの方々に限らず庇護を求める方に対し、迅速に難民認定を中心とした保護を与え、在留資格を付与することなどを日本政府に求めました。

あるアフガニスタン出身の難民の方は、心配して近況を尋ねたJARスタッフからのメールに、「いつもともにいてくれてありがとう、ただそれだけが言いたかった」と短い電話で答えました。遠く離れた母国の情勢を知り、いっそうの不安や孤独を感じる方々に対して、一人ひとりに向き合う支援を続けていきます。

この夏の支援実績(期間:2021年6月1日~2021年8月31日)

・事務所や収容所等での相談件数 129件
・電話での相談件数 567件
・シェルター提供人数 29人 (うち3名期間内に入居)
・物資の郵送数 190個(支援事業部・定住支援部の支援を含む)

この夏いただいたご支援

・ご寄付の総額:14,107,568円(837件)
※ 夏の寄付の案内開始(2021年6月25日)から2021年8月31日まで。下記を除く。
・古本でのご寄付(バリューブックス):408,394円(124件)
※ 2021年6月1日から2021年8月10日まで。(暫定値のため後日更新予定。)

いただいたご寄付をもとに、難民の方々への直接支援のほか、政策提言や広報活動など、当会の事業全体に取り組んでいます。温かいご支援に心より感謝いたします。

※難民支援協会の最新ニュースレター(vol.23/2021年9月号)はこちらから

たくさんのジャガイモやレモン

▲写真:野菜や果物を送っていただき、難民の方にお渡しすることができました。