活動レポート

[特集]難民の「収容」とは何か?

    日本に逃れてきた難民を含む、在住外国人を長期的に収容する施設があることを知っていますか?茨城県牛久市と長崎県大村市にあり(※)、鉄格子がついた刑務所のような場所です。法務省入国管理局(入管)は、「不法(非正規)」で滞在している人を無期限に収容することができます。「不法」という言葉のネガティブなイメージに引きずられて、問題ないことのように思えてしまうかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。安全を求めて日本に逃れてきた難民が、なぜ長期に渡って収容されてしまうのか、収容所はどのような場所なのか―。本特集では、弁護士による解説やイギリスの事例、収容を経験した難民のエピソードなどを通じて日本の収容における課題を考えます。
    ※2か所以外に、短期的に収容する施設が各地の入管にあります。

    《目次》
    1. 収容ってなんですか?弁護士に聞く収容問題
    2. 自由への道-エチオピアと日本の狭間で
    3. イギリスの収容所に学ぶ「正門から出る以外はできるだけ自由を保障」
    4. 収容所で面会を続けて-学生にできること

    1. 収容ってなんですか?弁護士に聞く収容問題

    入国管理局の外国人収容所があることがあまり知られていない中、「収容」という言葉自体に馴染みのない人がほとんどだと思います。そもそも「収容」とはなんでしょうか。「収容」=「保護」というイメージがあるかもしれませんが、入った経験のある人はみな、「刑務所のようだった」と言います…続きはこちら

    2. 自由への道-エチオピアと日本の狭間で

    イタリア南方の地中海で、アフリカから欧州に渡ろうとする移民・難民を乗せたボートが転覆・遭難する事故が相次いだ。海上で命を落とした人は今年だけで1,800人に上るという。難民にとって、危険なのは航海だけではない。陸・空・海のいずれをとっても、無事に出国し、安全な国外にたどり着けるのは一握りだ。この事態を自身の体験を思い出すように、日本から憂慮する女性がいる…続きはこちら

    (2015年6月掲載記事)

    3. イギリスの収容所に学ぶ「正門から出る以外はできるだけ自由を保障」

    難民条約を批准している日本以外の難民受け入れ国にも、難民申請者を含む外国人を収容する施設はあります。各国の課題はさまざまですが、イギリスへ視察に赴いた弁護士と研究者から報告されたハモンズワース入国者収容施設の様子は、日本の収容問題を改善する上で示唆に富むものでした…続きはこちら

    4. (寄稿)収容所で面会を続けて-学生にできること

    「なぜ僕と同じ年齢の君は勉強できて、僕はできないんだ」牛久にある東日本入国管理センター(収容所)での面会活動を続けるなかで、収容されていた同世代の難民から言われた言葉が印象に残っています。激しい対立のあった母国で命を狙われた彼は、身を守るとともに、勉学の希望をもって日本に逃れてきたそうです…続きはこちら