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【進捗報告】難民が安心できる空間をつくりたい

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世界難民の日(6/20)を皮切りに、日本に逃れてきた難民が安心して過ごせる事務所を作るべく、移転実現のための資金を募り始めました。目標は8/7までの7週間で800万円です。本記事では、クラウドファンディングの進捗や、事務所移転で実現したいことを掘り下げてご紹介していきます(随時更新)。
◆プロジェクトについてはこちら

#1 安心して話せる声が漏れない相談室(6/22)

世界難民の日にクラウドファンディングを開始し、今日までのわずか3日で、152人から543万80円のご支援が集まりました。想像以上の反響をいただき、大きな励みになっています!すでにご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございます!
今日からは、私たちが事務所移転で実現したいことを、掘り下げてご紹介していきます。最初のテーマは「安心して話せる音が漏れない相談室」について

毎日約15人が相談に訪れるJAR事務所。相談の順番を待合スペースで待ってもらいますが、スタッフは、決してそこで名前を呼んではいけないというルールがあります。「●●さん、こちらへどうぞ」と呼べたら楽ですが、名前を周りに知られることさえ、不安に感じる人もいるからです。それだけの恐怖や心に深い傷を抱えて逃れてきている人は多くいます。来訪したら、受付を担当するインターンが紙とペンを渡し、名前を書いてもらいます。「チェック柄のシャツを着ている」といった特徴と一緒に記録し、相談の順番がきたときに、名前を呼ばずとも誰が誰か分かるように工夫しています。 カウンセリングでは、母国で何が起きたのか、なぜ、どうやって日本にたどり着いたのかなど、さらに個人的な事情の聞き取りが、支援する上で必要です。拷問の経験など、ひとに話したくないようなことも信頼を築いた上で打ち明けてもらいます。その人の状況を正確に把握することで、できる支援も、選択肢も変わってくるからです。

安心して話してもらうためには、声が漏れない相談室の確保がとても重要です。いまの事務所は個室が1つしかなく、あとは1つの部屋を3つに仕切ったスペースで、隣の声が聞こえてしまいます。これまでは、同じ言語を話す方が隣り合わせにならないように工夫し、なんとかしてきましたが、相談にくる人が増えるなかで、その対応にも限界がきています。

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▲いまの相談室。カーテンのような仕切りがあるが、音は聞こえてしまう

相談室のなかでさえ、「ペンネームで呼んでほしい」という人もいます。あるときは、日本の厳しい現実を知ったときのショックで、大声で泣き出した人がいました。その方は、自分が相談室のなかで泣いたことが、他の人に聞こえていたことをとても恥ずかしく思ったようで、相談が終わると顔を隠して走って事務所を出ていきました。ただでさえ過酷な状況下で、そんな気は遣わせたくない。「安心して話せる声が漏れない相談室」を確保する。私たちが移転で実現したい最優先事項です。皆さんの応援をよろしくお願いします。

#2 リラックスできる待合スペースを(6/26)

驚く早さでご支援が集まっています。チャレンジ6日目の今日までになんと709万1080円のご寄付をいただきました。皆さま、本当にありがとうございます!今日は「待合スペース」の課題について。
JARには相談室、待合スペース、執務スペースしかないため、来訪した難民の方々が相談時間以外に過ごせる場所は、この待合スペースしかありません。相談を待つ人、食事をとる人、仮眠をとる人、お母さんの相談が終わるのを待つ子どもなどで、常に満員です。食事を置けるテーブルも中央の小さなものだけ。年間約700人がくる場所としては、あまりに狭いことが伝わると思います。息がつまり、相談時間まで外で待つという人も。先日は午前中に6人家族が来訪した時点で満員になってしまいました...。


例えば、ホームレスに耐えている方は、朝一番で事務所に到着し、相談時間が終わるまでの7時間を毎日ここで過ごします。昨年、長時間のパイプ椅子は大変でしょうと、資金をいただき、座り心地の良いもの(白い椅子)を買い足すことができました。クッションも置くなど工夫していますが、物理的な狭さはどうにもなりません。日本にきてから特に大変な時期を過ごす場所を、もっと足が伸ばせたり、寝転がったり、リラックスして過ごせる場所にしたい。今回の移転で、食事や仮眠をとる場所とは別に、もう少し広い待合スペースをつくります!引き続き、ご支援よろしくお願いします。

#3 速報:800万円達成!(6/27)


わずか1週間で、266名の方々からご寄付をいただき、目標としていた800万円が集まりました!本当にありがとうございます。長年、必要性を感じながら進めることができなかった事務所移転ですが、今回、想像をはるかに超える反響・ご支援をいただき、大きな一歩を踏み出すことができました。ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。皆さまから委ねていただいた資金とお気持ちを最大限活かし、難民の方々が安心できる事務所をつくります!
また、今回ご支援をお願いした800万円とは別に、いまの事務所を退去するにあたり、相談室の壁の取り壊し工事等のため、原状回復費用として300万円かかることを見込んでいます。これらはいざという事態を想定して貯めてきた資金を一部使う形でまかなうことを考えていましたが、8月7日までは引き続き、支援を募らせていただき、貯蓄をできるだけ切り崩すことなく、移転を実現できればと考えています。さらに資金が集まった場合には、一般寄付として難民支援活動全般に使わせていただきます。まずは、「難民が安心できる空間づくり」のスタート地点に立つことができました!引き続き、報告していきます。応援よろしくお願いします。

#4 温かいメッセージの数々(6/29)

800万円が集まってからも、大変ありがたいことにご支援は止まらず、なんと1,000万円を超えました。現事務所を退去するための原状回復費用までまかなうことができそうな勢いです。皆さま、本当にありがとうございます!!寄付と一緒にいただいた温かいメッセージの数々にも励まされています。
「寄付くらいしか出来ませんが、代わりに困ってる人達を助けてください。 新しい建物が困ってる人達のより助けになる事を願ってます」
「難民の人たちは日本に来て、本当に不安だと思います。少しでも安らげる空間になることを願っています」
「移転寄付に参加します。前向きで大変感銘しました」
「あまりにも難民に冷たい現政権といまの社会をどうすることもできないことを、申し訳なく思っております。微力ではありますが、よき隣人でありたいです」
「必要な金額からは僅かなお金ですが、私の精一杯の気持ちです。 祖国を離れねばならなくなった方たちをどうか守ってください。 日本を選んでよかった、と少しでも思ってもらえるような 理由が見つかりますように」
「ぜひ大きな目標ですてきな場所をつくっていただきたいと思います。そして、早く遊びに行きたいです。気軽に関心を持つ人が立ち寄れる場所になったらいいですね。でっかい夢をぜひ実現してください」
設計事務所の方やインテリアデザイナーの方などから、協力のお申し出も多数いただいています。皆さんのお力をさまざまな形でお借りして、安心できる空間をつくっていきます。引き続き、進捗報告します。

#5 1,100万円集まりました!本当にありがとうございます(7/4)

roomb_sleeping.jpg開始からわずか1週間で、目標の800万円が集まってからは、原状回復費用(事務所退去にあたって必要な相談室の壁の取り壊し工事費等)300万円を追加で募らせていただきました。 たいへん多くの方にご支援いただき、開始から2週間が経った本日時点で、原状回復費用も含めた1,100万円を上回る1,175万3605円を集めることができました!原状回復費用は、いざという事態を想定して貯めてきた資金を一部使う形でまかなおうと考えていたため、皆さまのご支援によって、貯蓄を切り崩すことなく、移転を実現できます。本当にありがとうございます。目標金額に達しましたので、本プロジェクトへのご寄付は締め切らせていただきます。 プロジェクトの進捗は引き続きご紹介していきます。移転までの道のりを見守っていただければ幸いです。337名もの方にご支援いただき、とても心強いです!
新たにご寄付を検討くださっている皆さま、難民の命と未来を支えるJARの活動をぜひご支援ください。JARには今日も来日直後で頼れる先のない方々が相談にきており、支援活動のための資金を必要としています。今日も、相談室が空いている時間には、仮眠をとる方がいました。支援活動への応援もどうぞよろしくお願いします。

#6 きちんと食事ができる場所(7/10)

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新しい事務所には、食事ができるスペースをつくりたいと考えています。日本にたどり着いた難民の多くは、日本に知り合いがおらず、母国からの所持金でのサバイバルを余儀なくされます。来日して数週間後になんとか情報を得て、JARにたどり着く頃には、残金60円。電車賃もなく、2時間歩いてきたという人も珍しくありません。昨日から何も食べていないという声も多いため、JARはフードバンクや支援者の協力のもと、軽食を提供しています。
しかし、食べる場所は先日紹介した、手狭な待合スペースです。JAR で3 食とる人のほとんどは、来日直後で公的支援にもまだつながっておらず、宿のない、最も過酷な状況にあります。そんな困難なときこそ、せめて食事くらいは周りを気にせず、一息つく時間にしてほしい。小さくても待合スペースとは別に、食事ができる場所を設けて実現したいと思っています。 また、今の事務所はキッチンがなく、レトルト食品しか提供できませんが、新しい事務所はキッチンがあるところを選び、将来的には温かい食事も出せる体制を目指します。他にも満たしたい要件が多くあり、優先順位付けにとても苦戦しそうです。引き続き、ご紹介していきます!

#7 オーストラリアの事例(7/21)


移転の必要性はかねてから議論していましたが、広報部スタッフの野津が今年3月にオーストラリアの難民支援団体「Asylum Seeker Resource Centre(ASRC)」を視察したことが、今回プロジェクトを始める一つの後押しになりました。ASRCを訪れて、まず驚いたのは、難民申請者たちが事務所内のカフェテリアやソファで、とてもリラックスして時間を過ごしていることでした。官民の支援が全く足りていない日本では、来日直後にホームレスとなり、やっとの思いでJARを訪れても、足さえ十分に伸ばせません。オーストラリアも難民受け入れに消極的な政権が続いているため、難民申請者たちは過酷な環境に置かれています。ASRCに相談にくる人の多くは、就労許可がなく、収入が全くありません。しかし、政府の方針がどうであれ、困難な状況にある難民の方々が安心でき、尊厳をもって過ごせる空間づくりは民間で十分にできることをASRCのオフィスは体現していました。土地が高い東京で、同じくらいの広さや機能を確保することは現実的でありませんが、JARが提供している支援の厚さと人数、その人たちが置かれている過酷な環境に見合った事務所をつくれるよう最大限工夫していきます。詳しい研修報告もぜひこちらから一読ください。

(2017年6月22日掲載)

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