活動レポート

難民支援緊急キャンペーン 経過報告2

    2009年6月18日
    難民支援緊急キャンペーン 経過報告2
    <報告期間:2009.4.27 – 2009.6.15>

    難民支援緊急キャンペーン実行委員会

    4月以降、それまでの半数程度の難民申請者が、唯一の命綱ともいえる政府の生活支援金(保護費)を受けられなくなっている事態を受け、民間支援団体は、難民の最低限の生活を支えるため共同キャンペーンを実施。政府の十分な予算措置がなされるまでの生活費を支援しています。
    これまでのべ269人に対し、600万円を超える支援金を支給。6月からは宿泊費も支援しています。
    また、こういった状況に対し、約650万円のご寄付と助成金が集まり、複数メディアにも掲載されました。詳しくはこちらからご覧ください。

    収入

    ・目標: 5,000万円(9月末まで)
    ・6/15までの寄付および助成金: 6,483,370円 (実行委員会団体からの拠出を除く)
    そのほか、お米、油、スープ、タオルなど、物資のご寄付もいただいています。
    さらに、一般の方からのお申し出により、アパートの部屋を格安にてご提供いただきました。それまでの家を追い出された3人の難民に住まいを提供することができました。
    ご寄付・ご支援を下さった皆さまには、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

    支援金支給

    * 執行基準:1人当たり30,000円(単身者)、家族2人目〜20,000円、家族4人目〜10,000円
    * 執行総額:6,175,800円 (6/1-6/15 2,477,800円)
            うち、6月より支給を開始した「宿泊費」分:130,600円(7人) 
    * 執行対象者総数:162人
            うち、家族ケース17件、保護費を切られたケース93件
    * 執行件数(のべ):269人 
    *そのほか、緊急キャンペーンの支給対象に入っていない医療費、ビザ更新手数料、交通費などは、難民支援協会が従来から行っている生活支援金(緊急ファンド)より支給を行っています。

    今後の課題

    * 東京以外に住む、保護費を切られてしまった申請者への支援・継続。
       特に、群馬県館林市に住む、おもにビルマ(ミャンマー)の少数民族ロヒンギャ民族のコミュニティでは、以前より不況による派遣切りなどにより生活困窮者が出ていたが、ここ最近は、無収入状態が6ヶ月以上に及ぶ人も出るなど困窮度が深刻化。館林市を訪れ(6/8、6/17)、支援金を34人に支給したものの、まだ数十人規模の困窮者が確認されている。
    * 家賃の滞納が長期化することによるホームレス状態となる申請者の増加。
       実際に住まいを追い出された人に対しては、キャンペーン実施団体が代替となるような施設(ゲストハウス、教会関連シェルターなど)を探し、手配した。
    * 不安定な状況が長期化することによる精神的なストレス。特に、梅雨の天候不順や夏の暑さなどによる肉体的な疲労による影響への懸念。最近では「収容された方がましだ」と漏らす人も出てきている。

    ケース事例

    IMG_5109(加工済み).jpg
    1)館林に暮らすロヒンギャ民族の方は、難民申請の期間が長期化している傾向にあり、3-5年近く待っている人も多くいます。これまではそれでも難民どうしでの支え合いにより、当座の生活を送ることができていました。しかし、年末の不況とそれによる失業がコミュニティ全体を直撃。難民認定などにより在留資格を持っている人ですら仕事を失うような厳しい状況のなか、さらに保護費の支援が受けられないという事態が起きています。せめてもの工夫として、家の軒先の空き地を生かして家庭菜園を行なうなど、自助努力も行なっています。それでも、いつこの状況が改善するのか見通しがつかず、また支援団体でも継続的に支援し続けるための対策に苦慮しています。
     
    *実際の事例を元にモデル化したものです。
    *写真は本文中の登場人物とは関係ありません。

    ***
    実行委員会では、引き続き政府に対して、予算の増額を要望していくとともに、難民申請者の状況を注意深くモニタリングしていき、適切な支援を行っていく予定です。
    現在の生活費も十分ではありませんが、今後最低限でも支援が続けられるよう皆さまからのあたたかいご寄付をお待ちしております。詳しくはこちらから。
    その他、お米、油、タオル、バスタオル、洗濯洗剤、粉ミルクなど日用品等も受け付けております。事務所スペースの都合がありますため、お手数ですが、ご協力いただける際はご送付前にご連絡をお願いします。
    *経過報告は2週間に一度お送りする予定です。
    本件に関するお問い合わせ:
    難民支援緊急キャンペーン実行委員会 (事務局:難民支援協会)
    〒160-0004 東京都新宿区四谷1-7-10 第三鹿倉ビル6階
    電話:03-5379-6001 FAX:03-5379-6002
    info@refugee.or.jp https://www.refugee.or.jp/

    難民支援緊急キャンペーン・呼びかけ団体

    * 社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
    * カトリック東京国際センター
    * 全国難民弁護団連絡会議
    * 社会福祉法人さぽうと21
    * 社会福祉法人 日本国際社会事業団
    * 社団法人 日本福音ルーテル社団
    * 特定非営利活動法人 難民支援協会(事務局)