活動レポート

学生発の難民支援!私の学校でMeal For Refugees(M4R)を実施してみた

    Meal For Refugees(M4R)とは?

    m4r_sakashi9.jpgMeal For Refugees(M4R)は、難民支援協会(JAR)が難民とつくったレシピ本「海を渡った故郷の味 Flavours Without Borders」から生まれた社会貢献プロジェクトです。M4Rメニューはすべて難民の故郷の味。学食に新しい・珍しい・おいしいメニューを増やすことを通じて、難民を「知る」「支える」ことを目指しています。
    誰もが習慣としている「食」を切り口にすることで、難民問題をより身近に考えることができます。日本にも難民が暮らしていることを、M4Rを通じて学生に知ってもらうことを目標とし、今までに22大学で実施されました。今季は、私が在学する東京女子大学でも導入を果たし、全国14の大学で実施。明治大学では大学周辺のワゴン販売のお弁当屋を提供する企業「ティーム」とコラボをするなどと、M4Rのプロジェクトは学外でも広がりつつあります!

    わたしがM4Rをはじめたきっかけ

    私がM4Rについて初めて知ったのは、JARのインターン面接の時でした。面接の終わりに広報スタッフから「学生が主体となって学食から発信する取り組み、ぜひやってみませんか?」と紹介を受けました。これが私とM4Rの出会いです。現在、私はJARの広報部でインターンする傍ら、学生団体に所属し、「学生にもできる難民支援」をモットーに活動しています。「学生が主体」のM4Rに魅力を感じ、必ず東京女子大学で実施すると決意しました。
    私をはじめ、多くの人が楽しみにする「お昼ごはん」。多くの学生が利用する東京女子大学の食堂にM4Rメニューがあれば、きっと人気がでるだろうという自信もありました。

    M4Rを導入するまで・・・

    M4Rを導入するまでにはいくつかのステップがあります。
    ステップ1.メンバーを募る
    はじめは1人からのスタートでした。メンバーを学内で募ったところ、「ニュースで難民のことを知って何かしたいと思っていたところだった」、「M4Rのプロジェクトが面白そうだったから」などさまざまな動機のもと、なんと30人近くもの学生が集まりました!
    夏休みには、難民に関する勉強会などを行いました。日本で暮らす難民が経営するレストランに赴き、当事者の声を聴くなど、M4Rの目的である「難民を知る・考える」ことができました。難民に関するニュースを定期的に共有するなど、メンバーが難民問題に触れる機会作りにも取り組みました。
    ステップ2.実施までの計画を立て、学食と交渉する
    M4Rは学食に新しいメニューを導入するので、学食のスタッフから実施の許可を得なければなりません。そのためには、実施までの具体的な流れが記載されている企画書が必要です。企画書作成と聞くと、難しく感じるかもしれません。しかし、企画書に落とし込むことで、東京女子大学において「なぜ」M4Rを実施したいのか、難民についてもより深く考える機会になりました。
    そして、企画書とメンバーの強い思いから、学食のスタッフから実施許可をいただくことができ、ついに東京女子大学でのM4R実施が確定したのでした!
    ステップ3.M4Rという機会を最大限活用するための広報活動
    m4r_sakashi8.jpg実施が決定したら、「いつ」「どこで」「なにが」行われるかを、チラシやSNSを使って学生に知らせる必要があります。
    広報活動をする上で工夫したのが、メニューとともに国名や民族も記載することでした。日本に逃れてくる難民の出身地を具体的に想像してもらうためです。
    チラシ作成に関わったメンバーにとって、このひと工夫は今まで気づかなかったことを考えるきっかけになりました。たとえば、ミャンマーをビルマと書くか、アゼリは地方・民族なのかなど、適切な表現を探すなかで新たな発見がありました。最終的にできあがったチラシはデザイン性も高く、学内外から好評でした!

    ついにM4Rスタート!

    11月30日から12月11日までの2週間、東京女子大学でM4Rを実施しました。特に人気があったのは、ミャンマー(ビルマ)・カチン民族の「牛ひき肉のスパイシー炒め」と、チン民族の「鶏肉と小松菜のカレー」でした。

    ミャンマー(ビルマ)・カチン民族 「牛ひき肉のスパイシー炒め」
    特に、鶏肉と小松菜のカレーは「おいしいから早く食べに行ったほうがいいよ!」という口コミが学生から先生までにも伝わるほどの人気ぶりでした。

    本・衣料品の回収でアクションを!

    さらに、M4Rで難民を知った学生が何かアクションを学内で起こすことができるよう、古本の回収(チャリボン)と衣料品の回収(全商品リサイクル活動)もM4Rと同時期に、東京女子大学に導入しました。チャリボンとは、古本の査定額がJARへの寄付となるものです。たとえば、60冊の古本でホームレスとなってしまった難民に1泊の宿を手配することができます(買取金額が1冊50円の場合)。全商品リサイクル活動とは、ユニクロとUNHCRを通じて回収した衣料品を難民キャンプへ届ける仕組みです。実施期間中ではチャリボンは約8万円分の本が、全商品リサイクル活動においては約1,300着の衣料品を回収することができました。M4Rを通じて、難民に関心を向けた学生がアクションを起こすことができたのではと感じます。
    *チャリボンについてはこちら

    M4Rを実施してみて・・・新たなメンバーと継続を

    1人からスタートしたM4Rですが、最終的には大学全体での取り組みとすることができました。M4Rの注目は学生のみに及ばず、毎日新聞とウェブメディア「TRiPORT」からの取材もありました。今後も、大学でM4Rをはじめとする活動を継続し、難民問題への関心を寄せる学生を増やしていきたいと考えています。またM4Rを通じて、難民についてより一層考えるだけでなく、たくさんの仲間と出会えました。M4Rは「なにかしたい」という思いを「行動」に移すことのできるきっかけにもなりますし、学生生活を充実させてくれる存在の一つだと思います。今後、実施大学が増えていくことを期待します。
    M4Rウェブサイト
    M4Rフェイスブック
    M4R参加に興味のある方はこちらから(社食での参加も募集中)