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活動レポート

ピアサポートサロンを始めました

土岐 茂里
難民支援協会(JAR)支援事業部スタッフ

日本で暮らす難民の女性たちの、心とからだのケアを目的に開始した「ピアサポートサロン」。以前から、孤立した状況にある難民を対象にグループワークを行ってきましたが、ピアサポートサロンは女性を対象にしています。JARを訪れる女性のなかには、これまでの経験から男性と同じ場にいることに不安を覚える方も多く、女性限定の会に強い要望が寄せられてきたからです。類似した境遇の女性たちが集うことで孤独感を和らげ、横のつながりを生み、支え合うことを目指しています。

色やメッセージで心の状態を知る

まず、輪になって手をつなぎ、人間知恵の輪に挑戦。体を動かすことで参加者の緊張をほぐします。協力して輪をほどいていく過程で参加者が自然とリーダーシップをとり、指示を出す声や「No No!」と笑い声があがっていました。緊張がほぐれたところで、初回はアートを使い、自身の心の状態を理解するワークを行いました。「いまの自分」をテーマに、人型が描かれた紙に自由に色を塗って絵を描き、自己紹介をするというものです。明るい色で「Happy」「Peace」「Love」というポジティブなメッセージを書く参加者がいた一方、現在の社会的な立場からくる複雑な感情、断続的に感じる孤独や悲しみを表現した方もいました。「同国出身の人と知り合う機会が少なく日本語も話せないため、ほとんど家に閉じこもっていて、今日もここで話したのが初めて」といった声や「日本はきれいだし平和で好きだけど、やっぱり自分の国が良い」「前と比べると幸せだけど、時々寂しくなる。家族のことを考えると寂しい。でも、それ以外は幸せ」といった複雑な気持ちを話す方もいました。

つながりを取り戻す

2回目のサロンでは、折り紙とディスカッションを行いました。ほとんどが初挑戦という折り紙。5月のこどもの日と母の日にちなんで、かぶととカーネーションを作りました。「手順が早いよ~!」と慎重に端と端をあわせ、隣同士教えあいながら折りすすめます。出来上がったかぶとを頭にのせたり、広げたお互いのカーネーションを見て、「きれい」あるいは「なんか変~!」と笑う彼女たちのリラックスした表情が印象的でした。

ディスカッションでは「気分転換の方法」をテーマに語り合いました。歌うこと、踊ること、散歩、料理、映画鑑賞など多くの意見があがり、自慢の子守唄を披露してくれた参加者もいました。「寝ること。寝ている間はアフリカに帰れるから」と率直な気持ちをシェアしてくれ、他の参加者がうなずく姿も見られました。

サロンには保育士資格を持つボランティアにご協力いただき、子どもを持つ方も心おきなく参加できるよう配慮しています。まだ生後9ヶ月の可愛らしい赤ちゃんの参加に、皆自然と笑顔になりました。赤ちゃんが泣き止まないときには代わる代わるあやしたり、育児経験者がアドバイスしたりと、参加者の間に確かなつながりが築かれていることが感じられました。参加者の出身国はソマリア、カメルーン、ミャンマーなどさまざまですが、日本での境遇は共通することが多く、集まって自由に話せる機会は貴重です。サロンを通じて、引き続き参加者同士の対話や支え合いを促し、将来的には女性たちによる自主的な開催を目指していきます。

執筆者

※ 記事掲載時のプロフィールです

(2015年7月1日掲載)

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