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第三国定住第3陣の受け入れゼロの内閣官房発表に対して

    2012年9月25日
    認定NPO法人 難民支援協会

    第三国定住第3陣の受け入れゼロの内閣官房発表に対して

    第三国定住による難民受け入れが今年度ゼロになったという内閣官房副長官補室からのリリース及びメディア報道を受け、受け入れの支援に関わってきた難民支援協会(JAR)としては、非常に残念に思うと同時に、本事業が新たな難民受け入れのパイロット(試行)である以上、現時点で3陣の受け入れをあきらめることなく、支援体制について様々な方策を考えた上で、再募集を行うべきだと考えます。
    政府からは3家族16人を受け入れる予定が、3家族とも来日を辞退する旨の申し出があり、今年度の受け入れはゼロとなったことが発表されました。テレビ等での報道によると、出国前研修中に日本行きをキャンセルした、日本での生活の不安などがあり、希望者がいなくなった(NHK,TBS等)とされており、出国間際の時点で不安を払しょくできずに取りやめられたということは、日本で難民の支援をしてきた立場から非常に残念に感じています。
    しかし、第三国定住受け入れは、難民にとっても日本社会にとっても重要な取り組みであり、「パイロット」である以上様々な受け入れ方策を試みることが重要です。その観点からも、今回の第3陣に関しては「ゼロ」で終わらせることなく、再募集をかけていただきたいと考えます。予定していた10月の入国は間に合わないなど、想定外の対応になると予想されますが、6ヶ月集合研修を3か月にするなど、既存の形にとらわれない支援体制の再構築や、現在の受け入れが家族に限られている原則を柔軟にする等の工夫により、希望者の再募集が可能になると考えます。私たちとしても、政府と協力し、難民が安心して来られるような体制作りに協力していきたいと考えています。
    国際社会に対しては、日本がアジアで初めてということでアピールしてきた第三国定住による難民受け入れを継続することで、人道国家として日本の地位向上にもつながるでしょう。
    なお、上記の実施にあたっては、難民の人たちにとっても、また日本社会にとっても双方にメリットがある受け入れのあり方を、難民の方も含め様々な方と協議し、実践していくべきだと考えています。
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