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ニュースリリース

追悼 本間浩先生

ニュースリリース

2013年5月30日

追悼 本間浩先生
(享年74歳、駿河台大学名誉教授、法政大学名誉教授、元難民審査参与員、難民研究フォーラム前座長、認定NPO法人難民支援協会上級顧問)

 日本の難民制度・政策について長年ご尽力された本間浩先生(ご専門:国際人権法)が、2013年5月10日にご逝去されました。この2年近く病魔と闘われましたが、ついに帰らぬ人となりました。

 本間浩先生は、1999年7月の弊会設立前から「日本の難民保護については課題が多くあり、制度の立案に関わった一人として大きな責任を感じている」とおっしゃられ、弊会の趣旨に賛同頂き、一貫して学術面からご支援くださいました。インドシナ難民の受け入れ、難民条約加入にあたっては専門家として条約導入にあたっての理念や制度を調べ、提案されていた本間先生。難民支援協会の立ち上げにご支援をくださった背景には、その理念が必ずしも実現されていない現状に対する問題意識もお持ちであったのではないかと考えております。

 1999年7月の弊会の設立総会においても「日本の難民政策-難民認定を中心として」と題してご講演を頂いたほか、弊会が実施しているシンポジウムでのご講演や難民アシスタント養成講座・上級編での「日本の難民制度設計の理念」と題してのご講演、またより専門的な知識を求める人たちのために難民判例評釈のゼミを開いてくださったこともありました。イギリスの画期的な難民保護の判例を見つけられた時は、いち早く伝えようと休日にわざわざご訪問くださり、その判決の素晴らしさについて熱心に評釈してくださいました。弊会が「支援者のための難民保護講座」を出版した際は、監修者として非常に丁寧に、かつ根気よく、私たちの拙い原稿に何度も赤を入れてくださいました。

 また、難民保護を実現するための立法にも着手され、「難民等の保護に関する法案」をとりまとめてくださいました。本間先生のこれまでのご研究の成果を余すところなく発揮して頂き、またそれぞれの条文の解説文まで作成され、全部で40ページを超す大作となりました。これは、立法活動をしていく上で大きく参照されるものとなっています。これだけの思いをもって取り組まれた難民保護の向上に対して、私たちとして目に見える結果を出せていないことが残念でなりません。
 加えて、人材育成についても情熱をかけて取り組まれました。とりわけ、難民研究のすそ野を広げるための「難民研究フォーラム」設立にあたっては中心的な役割を果たされました。
 難民への温かいまなざし、研究への真摯な姿勢、そして温和な人柄は、研究を目指すものではない私たちも大変信頼し、尊敬申し上げていました。

 そのような先生にもうお会いできないことが、本当に残念でなりません。できることなら、もう一度、難民の保護について信念を持って、かつ温かい口調で話されていた先生にまたお目にかかりたいと思っています。これからは、先生が遺してくださった研究成果や示してくださった難民保護の途を、NGOの立場で実現していきたいと考えております。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

認定NPO法人 難民支援協会
事務局長 石川 えり

(2013年5月30日掲載)

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