ニュースリリース

難民の経済的自立のためのマイクロファイナンスを行う日本初の公益法人の設立

2012年3月1日
認定NPO法人 難民支援協会

難民起業サポートファンドの公益認定について
–難民の起業家のための、経済的自立を目的とした
少額融資(マイクロファイナンス)を行う日本初の公益法人の設立–

[難民起業サポートファンド(logo)]認定NPO法人難民支援協会(JAR)がその設立に積極的に関与してきた、「難民起業サポートファンド」が、本日、公益社団法人となりました(1)
日本にいる難民の、起業による経済的自立を支援する同社団(ESPRE)は、2010年9月20日の設立当初より公益法人への移行を目指してきましたが、この認定により難民起業家への融資が可能となりました(2)
なお、少額融資(マイクロファイナンス)による経済的自立の支援を行う公益法人としては、日本初の事例となります。
厳しい状況に直面しながらも、あきらめず困難を何とか打開しようとするアイデアと意欲を持つ難民。自ら道を切り開く手段のひとつに、起業があります。
JARは、これまでの活動の中で、経済的自立および難民同士の助け合いを可能とする難民による起業の動きに着目。マイクロファイナンスの可能性を研究してきました。
ESPREは、経営支援と共に、事業のための融資を組み合わせて行うことで、難民を後押ししますが、JARも協力していきます。
そして、この起業支援により難民の自立と生活の安定を促進することで、ともすれば難民=「重荷」ととらえられがちな社会のイメージを、すばらしい可能性を持った「人財」へ転換したいと考えています。
さらに、難民のベンチャースピリッツが広く日本社会に活力をもたらすことも目指しています
詳しくは、ESPREによるニュースリリースをご参照下さい。
こちらから事業モデル、これまでの支援ケース、スケジュール、体制などもご覧いただけます。

難民起業サポートファンド設立の経緯

JARは、2009年より難民コミュニティの支援事業を立ち上げ、リーダーシップワークショップや手芸ワークショップ、日本語教育等を行ってきました。難民個別への支援ではカバーしきれないニーズに対して、コミュニティベースでのアプローチを行うことが必要と考えたためです。
また、その一環として、経済的自立および難民同士の助け合いを可能とする取り組みとしての、難民による起業の動きにも着目し、マイクロファイナンスの可能性を研究してきました。その結果、公益社団法人としての「難民起業サポートファンド」の設立(2)をすすめることとなりました。
  *事業立ち上げに際してのリリースはこちらから。
立ち上げ以来、難民の経営するレストラン事業に対する経営支援を試行的に実施してきました。
東日本大地震における緊急・復興支援などのため、少し時間がかかりましたが、今回の公益認定により、今後、融資を行うことが可能となります。

設立の意義

日本において難民や難民申請者は、雇用の機会が少ないなど、不安定な状況に置かれています。一方で、母国から逃れ、身よりもない日本での大変な生活を乗り越え、自ら道を切り開いてきた難民の中には、あきらめず困難を何とか打開しようとするアイデアと意欲を持つ人もいます。その一つの方法が、起業です。
ESPREがこのような難民の取り組みを支援することで、難民のすばらしい可能性を引き出し、社会のイメージの転換も図りたいと考えています。また、そうして成功した難民が、難民同士で助けあい、難民の日本社会での生活が安定することが期待されます。
さらには、難民の起業精神=ベンチャースピリッツが、日本に暮らすさまざまな人びとや日本社会に活力をもたらすことも目指しています。
なお、ESPREは、マイクロファイナンスによる経済的自立の支援を目的とした、日本で初めての公益法人となります。事業の成功は、例えば社会的に周縁化されがちな人々の自立に向けた一つのモデルケースとなる可能性があります。このことからも、この設立には大きな意義があると考えています。
ご支援、ご協力いただける方は、ぜひお問い合わせください。
※同社団および当協会の難民への起業支援の取り組みに対しては、社会的な課題の解決に取り組む革新的な事業に対する支援を行っている、合同会社ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)からの過去1年半にわたる資金および人的な支援を受けています。