解説記事・声明等

2010年12月-「住民基本台帳法施行令改正」等に関するコメントと回答について

    「住民基本台帳法施行令の一部を改正する政令案」及び「住民基本台帳法施行規則の一部を改正する省令案」に対するパブリックコメントを以下の通り、提出しました。

    12月28日、以下意見の募集の結果がでました。
    こちら(総務省報道資料)からご覧ください。
    *JARの意見および総務省からの回答は、2 意見募集の結果の別紙1の13番です。

    「住民基本台帳法施行令の一部を改正する政令案」及び「住民基本台帳法施行規則の一部を改正する省令案」(以下、「右政令案および省令案」とする)のうち政令案参照条文20として挙げられている出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律第60条(検討)には、「仮放免をされ当該仮放免の日から一定期間を経過したものについて…その者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市町村に迅速に通知すること等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」として、仮放免者に対する措置を検討する旨が盛り込まれている。
    また右法律を受け、右政令案および省令案の根拠法たる住民基本台帳法の一部を改正する法律第23条も同様の規定を設けて必要な措置を講ずるとしている。
    上記の規定にも関わらず、右政令案および省令案においては仮放免者への対応策が触れられていない。
    仮放免者が外国人の住民基本台帳に記載されないことにより、彼らが従来受けられていた住民としての最低限度の権利すら受けられず、また義務も果たせない可能性が出てくる(例:「国民健康保険の被保険者」、「後期高齢者医療の被保険者」、「介護保険の被保険者」、「国民年金の被保険者」、「児童手当の受給者」等)。
    これは、外国人住民に対し基礎的行政サービスを提供する基盤となる制度制定及び外国人住民の利便性向上という住民基本台帳法の一部を改正する法律の制定目的に反するものと思われる。よって、仮放免者も住民基本台帳へ記載すべきと考える。
    仮放免者のうち、とりわけ、日本政府へ対して難民認定申請を行いその結果を待っている者については、待機期間が約1年に上ること(※) 、を理由に住民基本台帳への加入が実現されるべきである。
    参照条文:
    1.出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律:
    (検討)第60条  法務大臣は、現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のもののうち入管法第五十四条第二項の規定により仮放免をされ当該仮放免の日から一定期間を経過したものについて、この法律の円滑な施行を図るとともに、施行日以後においてもなおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市町村に迅速に通知すること等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
    ※6か月を標準処理期間とし、平成23年3月末までに達成する旨発表されているが、現在は13カ月である。(法務省入国管理局ウェブサイトより)なお、この期間には異議申立て、その後の裁判期間については含まれていない。

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