活動レポート

#世界難民の日 に寄せて

    本日、6月20日は世界難民の日です。

    先日可決された入管法をめぐり、この間、多くの方が日本の難民問題に関心を持ち、声を上げてくださいました。難民認定制度の問題の深刻さがより一層明らかになったのは、そうした結果だと思います。難民のためにそれぞれの立場で取り組んでくださった方々の存在を、これまでにないほど心強く感じています。引き続き、あきらめず、難民が適切に守られる制度の改善と実現を目指して取り組みます。

    今回の議論を通じて、日本で暮らす難民のことをはじめて知った人もいるかもしれませんが、「難民」という大きなくくりのなかにある、一人ひとりの存在をもっと知っていただきたいと思っています。

    難民認定を得た人も結果を待っている人も、在留資格がある人もない人も、日本社会で日々を生きています。日本で生まれ育った子どもたちもいます。難民の経験を糧に日本でたくましく人生を切り拓いている人たちもいます。そして、地域コミュニティ、会社、学校など日常生活を通じて、日本社会のなかでともに暮らしています。

    たとえば、約20年前に日本に逃れてきたウガンダ出身の男性。活動していた野党政党が政府の弾圧を受け、来日しました。長年、仮放免の状態ですが、しっかりと地域に根を張り、生活しています。小さな畑でつくった野菜を近所の方におすそ分けしたり、畑仕事を手伝いに子どもたちが遊びに来ることもあるそうです。

    JARが支える来日間もない人たちも、理解ある大家さんや医療関係者、学校の先生などさまざまな人たちに助けられ、つながりを持ち生きています。

    制度が難民を「管理」し「排除」しようとも、すでにこの社会は難民の人たちとともにあります。この現実を皆さまと共有しつつ、私たちは、引き続き、難民の尊厳と安心が守られ、ともに暮らせる社会を目指していきます。

    今後とも、皆さまのご関心とアクションをよろしくお願いします。