10月9日、難民連携委員会(RCCJ)主催の「難民円卓会議」が開催され、難民支援協会(JAR)の石井宏明が登壇しました。去年に次いで2回目の開催。UNHCR駐日代表ヨハンセルス氏、文部科学大臣中川正春氏による基調講演では、政府、NGO、企業、大学などが連携して、日本にいる難民たちの声を政策に取り込んでいく必要があることが強調されました。
会議のタイトルは、”難民に力を:自立と地域社会への統合に向けて“。
パネルディスカッション1「日本語教育へのアクセスの向上」、パネルディスカッション2「地域コミュニティーと交流を深める」では、それぞれパネリスト10名が意見を述べました。石井は、パネルディスカッション2のモデレーターとして参加しました。
パネルディスカッションを通じて出た意見は主に以下のとおりです。
パネルディスカッション1 「日本語教育へのアクセスの向上」
• 言語障壁から、病院や入管でのやり取りにおいて、常に問題が起きている。
• 読み書きができないため、生活情報源が出身国コミュニティーに限られている。
• 難民認定後に受けられる外務省が実施する6カ月の日本語教育が十分ではない。人道配慮による在留許可を得た者は、それを受ける権利すらない。
• 日本語の読み書きが十分に出来ないため、パートタイムの雇用形態が続いている。
• 学校で配布される行事などのお知らせチラシが理解できないため、子ども同士、親同士で問題が起き、子ども同士でのいじめにもつながることもある。
提案:
• 日本語訓練を2年程度まで延長し、初級だけでなく、中級、高級レベルを設定する。
• 難民申請中の者も日本語教育を受けることが出来るようにする。
• 日本語ができない人向けに、英語での就職研修が実施する。
• さぽうと21やUNHCRの難民高等教育プログラムの拡大・補強を実施する。
パネルディスカッション2 「地域コミュニティーと交流を深める」
• 日本社会への同化ではなく、自分の文化を個性として活かして日本社会へインテグレイト(社会的統合)することが重要である。
• 次世代を担う難民の子どもたちが、社会でより良く生きていくためには、安全な日本で、しっかりとした教育を受けさせることが必要である。
提案:
• 言葉の壁が社会的統合への妨げにならないよう、日本語能力が十分ではない第二世代への日本語教育を、義務教育の中でサポートしていく。
• 官民で連携しながら、難民が働きながら2年ぐらいの期間、日本語教育を受けられるような支援体制を築く。
• 難民の日本社会への社会的統合を目指し難民・難民申請者だけでなく、日本にいる市民も巻き込み、議論を展開する。
二つの議論を通じて焦点になったのは、日本語のこと。難民一人ひとりが、地域社会で自立し生きていくためには、日本語の習得が重要です。会議では、共通の認識として確認され、それに向け、子どもだけでなく、成人に対しても、日本語を学べる環境を整えていくことが課題として明確になりました。
中川大臣からも、日本語教育が2年間は必要であるとの認識が示されました。また、第三国定住の受け入れについても触れ、インドシナ難民の受け入れの経験を調査・総括する必要性や、政府だけではない協議体を作ることを呼びかけたい、との発言もありました。
このような定住における難民のニーズに対応し、JARでは、今年度から「定住支援部」を立ち上げています。JARとしての活動も積極的に行うとともに、このような難民自身による動きを歓迎し、難民の自立と社会的統合を目指して連携を深めていきたいと考えています。
*昨年の様子はこちらからご覧ください。
*関連記事:2011年10月9日 – 第三国定住制度:13年以降も延長・継続へ/毎日新聞
(写真上: モデレーターを務めるJAR石井)
(写真下: RCCJの事務局長、マリップセンブさん)
会議のタイトルは、”難民に力を:自立と地域社会への統合に向けて“。
パネルディスカッション1「日本語教育へのアクセスの向上」、パネルディスカッション2「地域コミュニティーと交流を深める」では、それぞれパネリスト10名が意見を述べました。石井は、パネルディスカッション2のモデレーターとして参加しました。
パネルディスカッションを通じて出た意見は主に以下のとおりです。
パネルディスカッション1 「日本語教育へのアクセスの向上」
• 言語障壁から、病院や入管でのやり取りにおいて、常に問題が起きている。
• 読み書きができないため、生活情報源が出身国コミュニティーに限られている。
• 難民認定後に受けられる外務省が実施する6カ月の日本語教育が十分ではない。人道配慮による在留許可を得た者は、それを受ける権利すらない。
• 日本語の読み書きが十分に出来ないため、パートタイムの雇用形態が続いている。
• 学校で配布される行事などのお知らせチラシが理解できないため、子ども同士、親同士で問題が起き、子ども同士でのいじめにもつながることもある。
提案:
• 日本語訓練を2年程度まで延長し、初級だけでなく、中級、高級レベルを設定する。
• 難民申請中の者も日本語教育を受けることが出来るようにする。
• 日本語ができない人向けに、英語での就職研修が実施する。
• さぽうと21やUNHCRの難民高等教育プログラムの拡大・補強を実施する。
パネルディスカッション2 「地域コミュニティーと交流を深める」
• 日本社会への同化ではなく、自分の文化を個性として活かして日本社会へインテグレイト(社会的統合)することが重要である。
• 次世代を担う難民の子どもたちが、社会でより良く生きていくためには、安全な日本で、しっかりとした教育を受けさせることが必要である。
提案:
• 言葉の壁が社会的統合への妨げにならないよう、日本語能力が十分ではない第二世代への日本語教育を、義務教育の中でサポートしていく。
• 官民で連携しながら、難民が働きながら2年ぐらいの期間、日本語教育を受けられるような支援体制を築く。
• 難民の日本社会への社会的統合を目指し難民・難民申請者だけでなく、日本にいる市民も巻き込み、議論を展開する。
二つの議論を通じて焦点になったのは、日本語のこと。難民一人ひとりが、地域社会で自立し生きていくためには、日本語の習得が重要です。会議では、共通の認識として確認され、それに向け、子どもだけでなく、成人に対しても、日本語を学べる環境を整えていくことが課題として明確になりました。
中川大臣からも、日本語教育が2年間は必要であるとの認識が示されました。また、第三国定住の受け入れについても触れ、インドシナ難民の受け入れの経験を調査・総括する必要性や、政府だけではない協議体を作ることを呼びかけたい、との発言もありました。
このような定住における難民のニーズに対応し、JARでは、今年度から「定住支援部」を立ち上げています。JARとしての活動も積極的に行うとともに、このような難民自身による動きを歓迎し、難民の自立と社会的統合を目指して連携を深めていきたいと考えています。
*昨年の様子はこちらからご覧ください。
*関連記事:2011年10月9日 – 第三国定住制度:13年以降も延長・継続へ/毎日新聞
(写真上: モデレーターを務めるJAR石井)
(写真下: RCCJの事務局長、マリップセンブさん)