解説記事・声明等

難民認定者数6人 過去最低水準 〜1997年以来の一桁認定〜

    報道関係者各位

    2014年3月20日
    認定NPO法人 難民支援協会

    難民認定者数6人 過去最低水準
    1997年以来の一桁認定

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    認定NPO法人 難民支援協会(東京都新宿区、代表理事 中村義幸)は、法務省入国管理局「2013年(平成25年)における難民認定者数等」の発表(2014年3月20日付)における、難民認定者数の少なさを大変遺憾に受け止めています。日本は、1981年に難民条約に加入して以来、難民保護を国際的に約束しています。国際基準に見合った適正な難民認定制度、さらには庇護希望者・難民の生活面や社会統合の課題を解消する制度・施策の実現を含む、包括的な難民保護制度の早期確立を強く望みます。

    引き続き少ない認定数

    2013年難民認定申請の結果は、難民申請者3,260人(前年比715人増・約28%増)に対し、認定者数6人(前年比12人減)と、昨年を上まわるさらに厳しい状況となりました。一方、人道配慮による在留許可数は、前年比39人増の151人となりました。しかし人道配慮については、条約難民に対して保証される権利やサービスを享受することができない不利益があります。例えば永住許可の際の優遇がない、難民旅行証明書(いわゆる難民パスポート)の付与がない、日本政府が実施する定住支援を受けることができず、また、実務上家族呼び寄せが可能な在留資格が付与されていないなどの問題もあります。

    国際基準に照らし合わせた審査基準が必要

    このような認定数の少なさの背景には、国際基準とかけ離れた現状の厳しい審査基準や、審査及び手続における中立性・公平性・透明性の確保に大きな課題があります。それらの解決策の一つとして、出入国管理から独立した難民保護法、「管理」ではなく「保護」を趣旨とする法整備の実現を強く望みます。(2013年6月20日、当会もメンバーである難民支援ネットワーク組織のなんみんフォーラム(FRJ)が発表した「難民保護法検討のための論点整理」をご参照ください。※リンク

    難民の受け入れについては、難民申請の結果を待つ間のセーフティネットがないこと、認定・人道配慮による在留許可後定住支援が深刻な課題です。社会の一員として貢献をしたい、地域社会とよりつながって生きていきたいという希望を持つ難民も多くいます。そのような難民の人たちを受け入れ、共生していくためにも、入り口となる難民認定手続きについての適正な運用を求めます。

    難民支援協会では、難民自身や政府、地方自治体、NGO・NPO等の市民社会を含む、多様な関係者との連携を通じて、難民保護制度や受け入れの改善に向け、引き続き取り組んでまいります。

    ■本件に関するお問い合わせ

    認定NPO法人 難民支援協会 石川・田中
    〒160-0004 東京都新宿区四谷1-7-10 第三鹿倉ビル6階

    Tel:03-5379-6001|Fax:03-5379-6002|info@refugee.or.jp

    ※上記2段落目の内容を一部訂正いたしました。(2014年6月30日)
    難民申請者3,260人(前年比715人増・約128%増)→​ 難民申請者3,260人(前年比715人増・約28%増)

    (参考資料)難民申請者数と認定数の推移

    1990919293949596979899200001
    申請者数324268507352147242133260216353
    難民認定数2136121116162226
    人道配慮0723933342443667
    20020304050607080910111213
    申請者数2503364263849548161,5991,3881,2021,8672,5453,260
    難民認定数14101546344157303921186
    人道配慮40169975388360501363248112151
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