JARは1月末に、難民申請者のための法的支援を行う弁護士向け「難民への法的支援に関する集中講義」を実施しました。

年1回程度のペースで継続的に実施しており、今回で12回目となります。今回は約35人の弁護士や法律関係の専門家が参加してくださいました。受講した弁護士の皆さんからは、法的な観点からの難民支援に関わるポイントを多岐にわたり学ぶことができ、「知識がゼロだったので、講義を受けて非常によくわかった」、「審査請求の実務が大変参考になった」など好評の声をいただきました。
この講義は、難民を支えるためのJARの取り組みの一つ「プロボノ事業」へと繋がっています。JARは、難民が難民申請の手続きにおいて、必要な法的支援が受けられるよう、弁護士とともに取り組んでいます。
命を脅かされ自国を逃れた人を、日本政府が難民認定せず、本国に送り返された場合、難民は再び深刻な生命の危険にさらされることになります。難民支援協会は、毎年2,000件以上の法的支援に関する相談を、難民や難民申請者から受けており、プロボノ弁護士の法的支援は、難民の生命を守る重要な役割を果たします。しかし、日本で難民申請をしている人たちの中で弁護士にケースを担当してもらうことが出来る人たちは非常に限られているのです。

今回の講義では、
(1)難民事件における弁護士の必要性と役割 (2)難民認定手続きにおける出身国情報(COI)の活用(3)弁護士とJARの連携
を詳しく取り上げました。
〈出身国情報=COI(Country of Origin Information)とは〉
難民申請など国際的保護に関する申立てを評価するための手続きに利用される、申請者の出身国または経由国の政治、社会、経済、人権状況などに関する客観的な情報です。UNHCR、欧州亡命支援局、国際人権NGO、各国政府の移民庁や庇護機関など信頼できる機関や組織から提供されています。
難民(難民申請者)の人生を左右する複雑な難民認定手続きを行うにあたり、難民が適切に法的な権利を行使できるよう、弁護士などの専門家からサポートを受けることは非常に重要です。引き続き、JARは弁護士と連携し、難民への法的支援の提供を行っていきます。
なおJARでは、協働いただけるプロボノ弁護士を募集中です。ご関心のある方は、ぜひお問い合わせください。