活動レポート

難民申請者の生活保障のための措置を求める申し入れを行いました

    advocacy.jpg難民支援協会は、外務省の実施する難民申請者への生活支援金(保護費)支給が一部停止された事態を受け、ほか4団体とともに、外務省に申入れを行いました。11日、西村康稔外務大臣政務官に面会し、以下の申し入れ書を手渡し、会談したのち、記者会見を行いました。
    また、申し入れの様子について、現状の紹介も含め、各メディアに取り上げられました。詳しくは「トピックス」よりご覧下さい。

    2008年12月11日

    外務大臣  中曽根弘文 様

    難民申請者の生活保障のための措置を求める申し入れ

    社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
    カトリック東京国際センター
    社団法人 日本福音ルーテル社団
    特定非営利活動法人 難民支援協会
    全国難民弁護団連絡会議

    2008年12月5日付共同通信配信記事及び申し入れ団体への難民申請者からの相談により、外務省が実施している難民申請中の生活困窮者への生活支援金(保護費)の支給が一部で停止されたことが明らかになりました。外務省人権人道課によると、支給は再開されたものの、今年度に必要とされる予算は確保されていないことから、難民申請者の生活保障のための新たな予算確保等の措置を強く求めます。
    海外から迫害を逃れて日本に来て、保護を求める難民申請者は年々増加しています。2007年は816人の申請者でしたが、2008年はすでに1450人を越える難民申請がなされており、多くの人が保護を求めて日本へ来ています。
    この急増に伴い、難民としての認定にかかる審査期間は延長傾向にあります。日本で難民認定の申請をした後、結果が出るまでには平均20ヶ月を要します(*1)。しかし、多くの難民申請者は就労を許可されず(*2) 、また生活保護も得ることができないため、外務省からの保護費はまさしく命綱となっています。実際に、多くは暖かい国々から来ている難民が、食べ物もなく、この寒空に放り出されるという悲惨な状況が目の前に迫ってきております。また、国民健康保険に加入できないために治療費を支払えない難民が、保護費なしでは医療サービスを受けられない事態が発生してしまいます。
    したがって、外務大臣に対し、下記を申し入れ致します。

    1. 保護費の支給が今年度切れないよう、また来年度以降についても予算が十分確保されるよう、新たな措置を求めます。
    2. 今後の保護費の支給が現在の生活保護と同等レベルで実施されるよう、さらなる見直しを求めます。

    以上

    *1:参議院法務委員会議事録第3号(平成20年3月25日)より
    *2:難民申請者の就労に関しては、難民申請時の在留資格によって変わってきます。難民申請時に在留資格がある場合は、運用上は6ヶ月後に就労可能となりますが、申請時に在留資格がない場合には、仮滞在が許可されて数年が経過しても就労は認められていません。私たちとしては難民申請者の就労について、一定の条件の下、許可するべきであるという立場をとっております。
    賛同団体(五十音順)
    社会福祉法人 さぽうと21
    高橋喜久江(矯風会)
    難民・移住労働者問題キリスト教連絡会
    社会福祉法人 日本国際社会事業団