本文へジャンプ

トップページ > 難民支援協会の活動 > 活動レポート > 講演・イベント  > シリア難民のジュディさんと宮本エリアナさんを招き<THE MISSING FINGERPRINT キャンペーンイベント~世界と私たち-「難民」から考える~>を開催しました

活動レポート : 講演・イベント

シリア難民のジュディさんと宮本エリアナさんを招き<THE MISSING FINGERPRINT キャンペーンイベント~世界と私たち-「難民」から考える~>を開催しました

本イベントの開催概要はこちら

あなたには『和』にかき消された彼らのIDが見えますか?
秩序を好み、同一性を尊ぶ『和』の精神が「みんなと違う」を、
排除する力を持ってしまったとき...。

そんな挑戦的なメッセージと、自己を証明するID「指紋(FINGERPRINT)」をモチーフに、難民の存在を伝えるキャンペーン"THE MISSING FINGERPRINT"。日本の難民認定の厳しさと、背景にある日本社会の排他的な側面を考えるきっかけづくりを目的として展開しています。
"THE MISSING FINGERPRINT"の詳細はこちらをご覧ください。

「難民」から考える日本社会

紛争や人権侵害などからやむを得ず母国を離れ、難民となる人は世界的に急増しており、2014年末で5,950万人に上りました。日本に逃れてくる難民も同様に増えていますが、日本の難民認定基準は国際的に比較しても際立って厳しいことをご存知でしょうか。命からがら逃れてきた難民は、日本でたくさんの証拠書類の提出を求められ、平均3年の審査期間を経た挙げ句、ほとんどが「不認定」となります。この厳しさは制度だけの問題ではなく、そんな制度を容認する社会の空気もあるのではないか...?
キャンペーンの一環として、スマートニュース株式会社様のご協力をいただき、トークイベントを開催しました。当日の様子をご紹介します。

イベントにはゲストにシリア難民のジュディ・ユセフさん、ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんをお招きし、なぜ日本は難民に「冷たい」のか、お二人それぞれの経験から、日本社会の課題や可能性について考えました。昨今の難民問題への関心の高まりも受け、100人以上の方からお申し込みいただき、会場の定員いっぱいで開催することができました。

20151105_TheMissingFingerPrint_041.jpg

はじめに、JAR広報部の田中志穂より、THE MISSING FINGERPRINTキャンペーンをご紹介。続いて、JAR代表理事の石川えりより、シリア難民のヨーロッパにおける状況と、日本の現状についてお話しさせていただきました。ドイツの事例を交えて、日本ではどのように難民受け入れを進めていくべきか問題提起をさせていただきました。

シリア難民のジュディさんが日本で望むこと

最初のスペシャルゲストはシリアから日本に逃れてきたジュディ・ヨセフさん。アサド政権に反対する活動を行ったため追われるようになった彼は、身の危険を感じて2012年に来日しました。イギリスに逃れるつもりが、たどり着いたのは日本。難民申請手続き中の経験や、その後の生活の苦労など、隣国の難民キャンプに身を寄せていた妻と子どもたちと離れて暮らした辛い2年半を振り返ってお話しくださいました。

20151105_TheMissingFingerPrint_032.jpg

内戦終結の兆しがなく、母国に戻れないことが明らかなシリアですが、ジュディさんの難民申請の結果は不認定。参加者に向けて「日本は素晴らしいところがたくさんある。安全に暮らせることに心から感謝しているが、世界で起きていることにもっと目を向けて欲しい」と訴えました。日本政府や関係者との調整を重ねて、今年1月になんとか家族を呼び寄せることができたジュディさん。いま最も気にかけている課題は、子どもたちが日本社会で溶け込み、教育を受けられるかです。
「自分の人生はもう終わった。でも、子どもたちには教育と未来を与えたい」
まだ30代半ばのジュディさんから出たこの言葉に、日本社会は変わるべきだと心動かされた参加者も多いのではないでしょうか。

多様な一人ひとりが生きやすい社会に

20151105_TheMissingFingerPrint_072.jpg

ジュディさんに続いて、「ハーフ」として初めてミス・ユニバース日本代表に選ばれた宮本エリアナさんを迎え、「みんなと違う」が排除されがちな社会を考えました。エリアナさんは外見だけで判断され続けてきた経験を取り上げ、「日本人、外国人、難民と分けるのではなく、一人ひとりを見る社会を作っていきたい」と抱負を語ってくれました。人種差別をなくしたいという思いから、ミス・ユニバースに挑戦したエリアナさん。12月20日に開催された世界大会においては、6位タイの成績を収めました。今後も彼女ならではの活動、アプローチが楽しみです。

JARでは、日本の難民や日本社会について、より多くの方に考えていただく機会を、今後もさまざまな切り口から作っていきたいと考えています。皆さまのご参加をお待ちしております。

(2015年12月29日掲載)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 印刷