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活動レポート : 声明

震災から6年に寄せて:「帰還」について私たちが思うこと

東日本大震災から6年が経過しました。多くの被災地で暮らす方々や支援関係者が、昨年の5周年を機に、震災の風化が進んでしまうことを心配されていたことが思い起こされます。未だ多くの方が避難生活を送っており、その実態の断片を知るだけでも、私たちは現実の深刻さを突き付けられます。一方で、避難生活を余儀なくされる方々の事情は、ますます個別化、複雑化してきているように感じられます。
「風化」以上に大きな変化に直面している方々もいます。この3月で、福島第一原発事故により長期避難を余儀なくされていた方のうち、避難解除地域出身の避難者への政府支援打ち切りが決定しました。その結果、健康面での不安が全く解消されていないと感じている方など帰還を望まない方が、支援打ち切りという経済的な理由から帰還を余儀なくされることになります。それでも「当面帰らない」決断をされる方々には、今以上の経済的な負担と、「なぜ帰らないのか」という有形無形のプレッシャーにさらされる状況になることが大きな懸念です
最近は、広域避難者に対する心ない発言が学校現場、子どもたちの間でさえも起きていることが、報じられるようにもなりました。これはメディアが取り扱いを大きくしているだけで、以前からあった話であるようにも思います。いじめを受けてもこれからも暮らしていかなければならない地域で、実質的に「強制移住」を強いられた方々をいかに守っていかれるか、行政の対応にとどまらず、わたしたちの「市民力」が試されているように感じています。
被災者の方々が自ら将来を選択でき、帰還を強いられることが決してないよう願わずにはいられません。難民支援協会(JAR)は、「難民」という避難を余儀なくされた人々、その中でもより脆弱性の高い人々への保護を目指し、解決策について考え、支援に取り組んでいます。さまざまな状況で「強制移動」を強いられる人たちが、共通して直面する課題について、私たちも日ごろの難民支援を通じて、考え続けていきたいと思います。

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JARが事務局を務める難民研究フォーラムでは、機関誌「難民研究ジャーナル」最新号(第6号)で、『東日本大震災から5年-「避難」をどう捉えるか』を特集しています。上記の問題点から識者による座談会、研究者による論文を掲載しています。
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(2017年3月10日掲載)

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