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活動レポート

コロナ禍でも、日本に暮らす難民の方々へできる限りの支援を

石川 えり
難民支援協会 代表理事

いつもあたたかいご支援をありがとうございます。難民支援協会(JAR)代表理事の石川えりです。

今年を振り返ると、コロナ禍という未曽有の事態に対応し、難民の方々の安全を第一に、一人ひとりへの支援を続けるため試行錯誤を重ねた一年でした。皆さまにおかれましても、今年はコロナ禍によって生じる様々な変化に向き合わざるをえなかった一年だったのではないかと思います。

そのような中で今年も日本に逃れた難民の方々へ心を寄せていただき、本当にありがとうございました。

4月の緊急事態宣言を受けて、難民の方々の感染リスクを考え、一時は事務所を開く日を減らす事態となりました。東日本大震災直後でも事務所を毎日開いていた私たちにとって、それは初めてのことでした。

「開いていることが移動を促し、かえって感染のリスクにさらすのではないか」という議論もあり、事務所を完全に閉じて、電話やオンラインでの相談に限るという選択肢もありましたが、もし、途方にくれて藁をもつかむ思いでJARに来る方がいたとき、事務所が閉まっていたらどうなるのか。そもそも頼れる先が非常に少ない方々を支援している私たちが事務所を閉めることの影響を考え、時間を短縮し消毒を徹底しながら、緊急事態宣言下も週2日は開き続けることを選びました。

その後の事務所では、コロナの影響で収入が途絶え、家賃を払えず一切の荷物を持って事務所にきた方や、家はあっても、「コロナで外出もできず自分のことを考える時間が長い。母国に残した家族のこと、自分の今までのこと、今孤独でいることを考え、どうしたらいいのかわからない」と涙を流す方の姿を日々目の当たりにし、事務所を開き続けることの意義を再確認しています。

もともと日本で社会とのつながりが乏しく、ストレスを感じていた難民の方々にとって、いまの状況は経済的な面だけでなく、精神的にも追い打ちをかけています。

「JARはずっと私のためにそこにいる。JARのスタッフたちがいる事務所に行けるのは嬉しい。私のような難民の人々のために、この仕事をどうか続けてほしい」

事務所で難民の方からかけられた言葉です。
対面でマスクなしでじっくりと話せる、いつでも自由につまめるように食事スペースにパンを並べておく...など、以前は当たり前にできていた支援の多くは今後も引き続き手放さざるを得ません。しかし、この言葉にあるような、難民の方々の期待に応え続けるべく、これからも試行錯誤を重ねて、様々な制約の中でもできる限りの支援を行っていきます。

感染拡大の収束は見えず、来年も厳しい年となることが予想されます。この状況が長引くにつれて、困窮する難民の方々はさらに増えていくことも考えられます。来年も事務所を開き続け、JARを頼って訪れる難民の方々に必要な支援を届け続けるため、今年最後のご支援のお願いをさせてください。JARの収入の約7割は皆さまからのご寄付です。お一人おひとりからのご支援があって初めて活動を継続することができます。今年、特に厳しい状況にある難民の方々をともに支えていただけますと幸いです。

来年も厳しい年となることが予想されますが、少しでも難民の方々の力になれるよう、あきらめずに活動を続けて参ります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

書いた人

※ 記事掲載時のプロフィールです

(2020年12月29日掲載)

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