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活動レポート

イベント報告「ちきりんと考えよう!日本が毎年1万人の難民を受け入れるには?」

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ブロガーのちきりんさんと共催で、日本が先進国として恥ずかしくないレベルの難民受け入れ(年間1万人)を実現するための具体的なアクションを考える―問題解決型イベント「ちきりんと考えよう!日本が毎年1万人の難民を受け入れるには?」を開催しました。実は、発信力ある方に難民のことを知ってもらい発信協力をしていただきたいということで、ブロガーのちきりんさんにご連絡をしたのが今年の7月。お返事をいただいてから、トントン拍子に話が進み、8月には連載エントリ開始、そして、今回のイベント開催にいたりました。
*ちきりんブログの連載はこちら

150人の参加者とともに行った日本での難民受け入れを想定した思考実験。参加者には事前に課題を伝え、議論のテーマを考えていただくという予習が必須なイベントでしたが、そのお陰で、当日は、4つの課題に300以上のアイデアが集まり、ちきりんさんと参加者との間で活発な議論が行われ、大盛況のうちに終了しました。
事前課題の内容

また、イベントではちきりんさんが私物を持ち込んでのバザーを行いました。購入者が価格を設定(最低価格3,000円、以降1,000円刻みで、最高1万円まで設定可)し、売上総額にその同額を加えてちきりんさんが寄付をするという太っ腹な仕組みのバザー。最終的に、売上総額は6万7千円となり、これに同額を加えた13万4千円の寄付をちきりんさんからいただきました。また、ちきりんブログを読んでJARのことを知っていただいた方のうち、12人の方が難民スペシャルサポーターになっていただき、5人の方から単発での寄付をいただきました。

以下、イベントでの議論の内容をお伝えします。

はじめに、JARから「難民を受け入れられる社会」になるための参考事例として、アメリカ、カナダを中心とした海外の受け入れ事例についてお話しました。それを受け、ちきりんさんからイベント全体のテーマ「先進国として最低限の受け入れができている国になること」が示された後、具体的な4つの課題についての説明がありました。

(4つの課題)
A 個人、法人含め、もっと寄付を集めるには、どうしたらいいだろう?
B 協力してくれる企業を増やすには?
C 選挙権を持たない難民に代わり、世論を盛り上げ、政府にプレッシャーをかけるには?
D 難民を受け入れてくれる地域や自治体をどう増やし、支援すべきか? 

ちきりんさんからの課題説明の後、各課題について150人の参加者からアイデアを募集。わずか30分の間に300以上のアイデアが集まりました。ここで各課題に出されたアイデアとJARのコメントをいくつかご紹介します。
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A 個人、法人含め、もっと寄付を集めるには、どうしたらいいだろう?

  • 税金控除をもっと活用すべき
  • 難民支援リーディングカンパニー100社を認定する仕組みを作る
  • 私立中学・高校(特にトップ校の次の学校)での国際交流・ホームステイをする


日本はすごくいい寄付控除の仕組みを持っていますが、十分に活用されていないのがとても残念。JARへの寄付も税控除の対象になります。寄付金額の最大50%が税金から控除されます。ぜひご活用ください。寄付控除について
認定の仕組みは、内部でもアイデアとしてはあります。企業にとって「難民支援」も「子ども支援」「環境問題」のように、取り組むべき当たり前の社会課題の一つとして認識してもらうことを目指していきます。
学校などからの講演依頼は多数いただくのですが、全国行脚するほどスタッフ数がいないので全ての依頼に応えられていません。このアイデアのように、「トップ校の次」ぐらいで対象を絞って取り組むのはいいですね。

B 協力してくれる企業を増やすには?

  • 地域金融機関と協力する
  • スキルマップを作成してネットで公開する
  • 大学での学食ビジネス、食に関する企業へアプローチする


地域金融機関との協力ははじめていただいたアイデアです。難民を受け入れる地域の開拓は少しずつ進めているので、打診してみたいと思います。
JARでは食を通じた難民支援プロジェクト「Meal for Refugees(M4R)」」を学生と実施しています。企業の食堂でも展開したいと考えていますので、ご検討いただける方、ぜひご連絡ください。

C 選挙権を持たない難民に代わり、世論を盛り上げ、政府にプレッシャーをかけるには?

  • 難民界のマツコ・デラックスを誕生させる
  • アイスバケツチャレンジのような取り組みを実施する
  • 難民一人ひとりの物語を発信する


マツコさんに語ってほしいですね、難民のこと。難民受け入れについてポジティブな意見を発信してくれそうな著名人(例えば、マツコ・デラックスさん、ふなっしー、山本寛斎さんなど)のアイデアやコネクションがある方の情報提供はありがたいです。
アイスバケツチャレンジは流行りました。だれもが参加でき、だれかに進められ、実際に結果(寄付)にもつながる。アイデアやコネクションがある方、お待ちしています。

D 難民を受け入れてくれる地域や自治体をどう増やし、支援すべきか?

  • 難民に防犯活動に従事してもらう、子育てや教育の中で難民を活用する
  • 地域の空き家を難民へのシェルターなどに活用する
  • 地域の大学で難民を受け入れる


「難民」を地域づくりに取り込むという意味で、防犯活動に参加してもらうというのはいいアイデアですね。災害対応の訓練を地域の人とともに行う取り組みはこれまでにやってきましたが、防犯活動も検討したいと思います。
人口減少・高齢化・空き家など社会の抱える課題と難民受け入れを一緒に考えることは重要。難民に限らず、移民受け入れを通じた地域おこしの事例は海外では多数あります。


参加者からの意見が出揃ったところで、ちきりんさんによるまとめがスタート。次々とアイデアが紹介され、的確なコメントとともに新たな視点が加えられました。さらには、アタマが刺激された参加者との間で活発な議論が行われました。

<ちきりんさんの主なコメント>

  • リーディングカンパニー100社を認定するという意見に対し「企業を競わせるという視点は良いですね」

  • 難民の物語の発信という話題の中で「ライターと難民のマッチングが出来れば良い。売れないライターがいっぱいいる。誰も書いていないことを書くことに価値がある。いま、難民について10個くらい記事を書けばGoogle検索でトップに出てくる」

  • 地域の大学で難民を受け入れるという意見に対し「地方の大学がコレやれば『グローバル大学です』と言える価値が出来ますよね。そうそう。大学の空き寮だってあるはず。ここに住んでもらえば良いんですよ」

各課題に関するまとめ&議論が終わったところで、ちきりんさんとJARによるサマリートークがスタート。JARからは現場での課題などをお伝えし、ちきりんさんや参加者と活発な議論を展開することができました。また、JARからの依頼に対し、その場で参加者から具体的なレスポンスがあるなど、思考実験にとどまらない、次につながるトークとなりました。

<サマリートークの主な内容>

  • JARの「手がまわらず、講演依頼をお断りしている」という話から「難民について語る講師の育成をすれば良いのでは?JAR認定講師と名乗ってもらい、全国で講演してもらえば良い」
  • JAR認定講師の話から派生して「中学生高校生の夏休みの自由研究の内容で迷ってる子はいっぱいいるんだから、研究用のキット販売しちゃえば?それをきっかけに難民に興味を持つ子も出てくると思う」
  • 参加者の「IT企業=ブラック企業みたいなイメージがある。難民支援している、と分かれば、採用活動のときにイメージアップできるのでは?」という意見に対し、「親御さんにもイメージアップ出来て良いかも!スマホアプリゲームで高得点出したら寄付につながる仕組みを作ったら罪悪感なくゲームできるかも。マーケティングでイメージ改善、良いですね」

参加者の感想
● 難民絡みのイベントに参加したのは初めてでした。難民支援のイメージとしては、やる気のあるスタッフ(往々にしてボランティアや、給料低くても難民のためにがんばります!みたいな人)が、自己犠牲で難民のために尽くす、というようなものでした。このイベントを通して、「企業が発展するために難民が一翼を担う」、「廃れた地域が難民のおかげで再度盛り上がる」、そんな可能性を持った存在だと知ることが出来たのがとても大きかったです。世の中には色んな知恵を持った人がいることも改めて実感したので、得意な人のスキルを少しずつ拝借しながら、進めていけたら良いのかな、と思いました。最後に、ちきりんさんはそれにしてもよく喋るお面だな!と思いました。(医療機器メーカー勤務)
● アタマを使うイベントは好きなので大変有意義な時間でした。今回のイベントで強く思ったことは、「問題解決したい人(潜在的なものも含む)と問題解決に資するリソースを持った人とのマッチングが足りないのでは?」ということでした。今回たくさんのアイデアが出されたので、これが次のアクションにつながるようできることをやっていきたいと思いました。(福祉団体勤務)
● 出てきたたくさんの意見、笑えるものも多く楽しかったです。事前課題の段階では素人の考え付く意見は似たり寄ったり結局使えるものなんてでないのでは?と思っていましたが、個性的なものやすぐ実践できそうなものもあり、レベルが高くて驚きました。(メーカー勤務)
● ちきりんさんのつっこみが秀逸。意外に優しい。もっと辛辣なことを言われるかと恐れていた。でも、「意見ありませんか?」と言われたときにバンバン挙手があったのはちきりんプレッシャーに違いない。(メーカー勤務)
● もともと難民支援に興味があった訳ではなかったのですが、ちきりんさんのブログでイベント告知をしていたので参加してみました。参加型イベントで、参加者から多くのアイデアがでて、さらにそれを膨らませるちきりんさんの解説がとてもおもしろくて、げらげら笑ってしまいました。同じ問題を考えるのでも、本当にたくさんの切り口があり、非常に勉強になりました。(保険会社勤務)

(最後に)
ライターとして難民発信に協力していただける方、インフルエンサー候補についてアイデアやコネクションがある方など上記のアイデアについてお役立ち情報をお寄せいただける方は、info@refugee.or.jpあて、件名に「ちきりんイベントからのアクション」と書いてメールにてお寄せください。よろしくお願いします。


今回のレポート取りまとめは、参加者の中からボランティアとして4名の方が手伝ってくださいました。ちきりんマインドを共有していたお陰で、とてもスムーズに効率的に進めることができました。ありがとうございました!003_last.jpg

(2016年12月16日掲載)

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