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活動レポート

難民がバリスタに?!コーヒーがつなぐ難民支援!

酒師麻里
難民支援協会(JAR) 広報部インターン

あなたにとってカフェはどんな場所ですか?コーヒーを楽しんだり、友人と近況報告をしあったり、一人でリラックスしたりと、多くの人がさまざまな用途で利用しています。
コーヒーが大好きな私は、難民支援協会(JAR)でインターンするかたわら、カフェでアルバイトもしているのですが、コーヒーやカフェを活かした難民支援の実例がいくつもあることを知りました。カフェ文化が豊かな日本でも同じように展開できる可能性があるのでは...?と思い、今回は皆さんに、アメリカと韓国の『コーヒー×難民』事情をご紹介します。

アメリカの小さな町での取り組み-MORE THAN JUST SURVIVING

barista_truck.jpg

アメリカでは第三国定住プログラム(※)を通じて毎年2万人以上の難民を世界各地の難民キャンプから受け入れています。ジョージア州のクラークストンという町へは、年間2,500人もの難民がやってきます。そんなクラークストンでユニークな取り組みをしているのが「Refuge Coffee Co.」です。コーヒーを使って難民に職をつくり、難民の就業や難民が地域社会とつながりを持つことを支援しています。
Refuge Coffee Co.が掲げる目標は3つ。


  1. トラックでジョージア州をまわり、難民自身がコーヒーを売りながら、難民の話を広めること

  2. クラークストンにきた難民のさまざまな文化が垣間みられる素敵なカフェをつくること
  3.   
  4. barista3.jpgおいしいコーヒーに欠かせない豆のロースト。難民を豆挽き職人に育成し、新たな雇用を生み出すこと

Refuge Coffee Co.はクラークストンにきた難民が、「サバイバルモード」から「定住モード」に早く切り替わり、安心して暮らしていける一助になればと考えているそうです。現在はジョージア州だけでなく、少し離れたイリノイ州でも移動トラックでお店を開いています。

※第三国定住プログラムとは、すでに母国を逃れて難民となっているが、一次避難国では保護を受けられない人を他国(第三国)が受け入れる制度です。難民は第三国に移住することにより、保護され、定住することができます。日本でも2010年から取り組んでいます。

お隣の韓国では...

韓国は難民保護の取り組みにおいて改善が進んでいる国の一つです。2011年に、アジア地域で初となる独立した難民保護法が議員立法によって国会で可決され、施行されています。昨年の難民申請をした人数は日本の約半分の2,896人でしたが、難民認定数は94人と日本を大きく上回っています。
そんな韓国に『Tomorrow for Coffee』というカフェがあります。なんとここでは、韓国に逃れてきた難民がバリスタとして働いているとのこと。アフリカ産のコーヒーが人気な韓国で、コーヒーを通じてアフリカ出身の難民について多くの人に知ってもらいたい、との思いで立ち上げたそうです。難民がバリスタとして働くことで、難民の生活を支えられると同時に、難民を知ってもらうきっかけになれば、と創設者のムン・ジュンソクさんは願っています。

日本でもし、難民がバリスタとして働くことができたら...?

多くのカフェがある日本においてコーヒーは身近な存在です。さまざまな地域のコーヒー豆がブレンドされていますが、一体どこでどんな人が育てたのか、その国はどんなところであるかを知っている人は少ないのではないでしょうか。コーヒーの生産地としてはアフリカが有名です。同時に、アフリカは多くの人が難民となっている地域でもあります。日本にもエチオピア、カメルーン、ウガンダ、コートジボワールなどから多くの難民が逃れてきています。

wamclass_web.jpgJARは就労支援にも取り組んでいますが、難民が日本で仕事を見つけることは簡単ではありません。アフリカ出身の方は特に、言葉に加えて外見のハードルもあり、接客業で仕事を得ることは非常に難しい状況にあります。バリスタはそのような現状を打破する糸口にならないでしょうか?
例えば、スターバックスでエチオピア産の「本日のコーヒー」をエチオピア出身の人がいれてくれるとしたら、何だか買ってみたくなります。エチオピアや難民をぐっと身近に感じて、もっと興味が湧きそうです。難民にとっても仕事の選択肢がひとつ増え、身近に感じる人が増えることで、その他の接客業にも可能性が広がるかもしれません。(写真:JARの就労前トレーニングの様子)

カフェでアルバイトをしている私が働く際に心がけていることがあります。それは、1杯のコーヒーからお客さんとつながりを持つこと。このことは、接客やおいしいコーヒーを淹れることで可能であると信じています。日本にきてすぐは、言葉の壁から接客は難しいかもしれません。しかし、おいしいコーヒーを入れること、コーヒーを通じてお客さんとつながろうとする思いがあれば、バリスタとして働けると思います。お店でたくさんの人とつながりを持つことで、日本語も早く上達するのではないでしょうか。人々が憩うカフェで働くことで、日本でも難民がもっと身近な存在になるはずです。

参考ウェブサイト
Refuge Coffee Co
Coffee for Tomorrow, hope for refugees/Ewha Voice
Refuge Coffee Co. truck comes to DeKalb/Neighbor Newspapers
執筆者

※ 記事掲載時のプロフィールです

(2015年7月27日掲載)

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