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活動レポート

ゆびさしメディカルカードが完成

鶴木 由美子
難民支援協会(JAR)定住支援部 コーディネーター

専門的な言葉が多く、日常会話ができる在住外国人であっても苦労する病院での受診。在住外国人は増加していますが、病院でのコミュニケーションは課題です。トルコ出身の少数民族クルド難民が多く暮らす地域の病院からも、言葉の壁から適切な診察ができず、どのように対応していけばよいものか悩んでいるとの声が寄せられていました。そこで難民支援協会(JAR)は、難民・病院の双方と協力して「ゆびさしメディカルカード」を開発しました。病院で必要なコミュニケーションをゆびさしで伝えることができます。英語、ビルマ語、仏語、トルコ語、ネパール語の5言語で作成。仏語はアフリカの仏語圏出身の難民から、トルコ語はクルド難民からニーズが高く、活用が期待されます。

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どのようなことをゆびさしで伝えられたら便利か、難民と病院それぞれから聞きとり、ともに使いやすいものを作り上げました。例えば、痛みひとつをとっても、適切に伝えるには相当な語彙が必要です。そもそも「ヒリヒリする」「チクチクする」など、日本語の微妙なニュアンスに対応する言葉がない場合もあります。カードには単に訳した言葉を載せるだけではなく、痛みの大きさを数字やイラストで示せるようにするなど、言葉に依存しすぎない工夫もしました。その他、体の部位や病名に加えて、検査や治療でよくある会話などを掲載しています。

難民からは「自力で病院に行きやすくなる」「病院でつかう日本語を勉強するのに使いたい」といった声が寄せられ、病院からも「難民とコミュニケーションを取りやすくなって助かる」、「難民に限らず、ほかの在住外国人への対応にも役立てることができる」と好評です。

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難民が多く暮らす地域でワークショップも開催。カードの使い方や問診表の記入を学びました。はじめは思うように進められなかった方も、コツをつかむと自力で利用できるようになり、自信につながっていました。地域の病院のソーシャルワーカーも参加し、難民が実際にどのような部分で苦労するのかなどを実感しながら、どのようにフォローし歩み寄れば、より病院でスムーズに受け入れられるかを考えていただきました。(写真:難民とカードを作成する様子)

小さな自立の積み重ねが暮らしへの自信に

カードによって、JARスタッフや通訳の付き添いがなくても、一人で病院に行きやすくなります。医療へのアクセスという観点からだけでなく、小さなことであっても異国の地で自立して何かを達成するということは、その社会の一員として生活していく自信につながります。さらに今回のプロジェクトは、難民のニーズに応えるだけでなく、地域の受け入れる力を強化することも目指して企画しました。JARは今後も日本に逃れてきた難民が自立した生活を安心して送るための環境づくりに取り組んでいきます。(写真下:ワークショップに参加する母子)

*ゆびさしメディカルカードはこちらから無料でダウンロードいただけます。
雑誌「クロワッサン」7月号に掲載されました。

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書いた人

※ 記事掲載時のプロフィールです

(2015年7月15日掲載)

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