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活動レポート

難民と企業のマッチングを目指した合同面接会を開催

難民支援協会(JAR)では、2012年より就労支援として無料の職業紹介を行ってきましたが、いざ働き出してから、企業や業界ごとに異なる文化や、言語の壁などにより、難民、企業双方がさまざまな課題に直面しました。何か問題が起こる度に、難民や企業の担当者と話し合いを重ねました。その結果、就労前に、難民が日本の労働文化や、働く上で必要な日本語を学び、日本の労働環境に慣れ親しむ機会を持つことができれば、「難民が安心、安全に働くこと」を実現できるのではという考えにたどり着き、就労準備プログラムを実施することとなりました。

※就労支援事業の詳細はこちら

日本の職場で働くための準備プログラム

jobstudy_web.jpg就労準備プログラムは、6ヶ月間で、週約2回の日本語と就労の授業と、企業でのOJT(企業内研修)を実施します。日本語授業では、一般的な日本語教室で習うような日本語ではなく、「仕事の現場で必要な」日本語に焦点を当て、職場でコミュニケーションが取れ、安心安全に働けるための日本語習得を目標にしています。仕事の現場では、安全にかかわる日本語が理解できなければ、大事故にもつながりかねません。

就労授業では、日本の会社で働く上で必要な挨拶、時間の概念、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)、報連相(ほうれんそう)、タイムシートの打ち方などをロールプレイとJARで作成した教材を通じて学びます。授業を通じて、「5分前行動」という日本企業の時間の概念を学ぶことで、毎回授業に遅れがちだった方の遅刻がなくなるなどの変化も見られました。また、日本の労働文化を理解することで、日本の会社で働くイメージを具体的に持つことができ、知識だけでなく心の準備も進めることができています。授業中は、あまりにも違いすぎる日本の労働文化や、自分の置かれている過酷な環境にストレスを感じ、落ち込んだり、感情を露わにしたりする場面もありますが、どうすれば今直面している壁を乗り越えられるのか、一人ひとりの状況に寄り添いながら、考えています。

新たな取り組みとして合同面接会を開催

2年目に入った今年は、難民と企業のマッチングのための合同面接会の開催などの新しい取り組みを始めていました。10月末に行った第1回合同面接会ではパキスタン、イラン、カメルーン、ガーナ、リベリア出身など12人が参加し、東京都八王子市、茨城県ひたちなか市、新潟県長岡市から、商社や製造業を合わせた合計7社の企業と面接をしました。

面接では、授業中には見られない緊張した表情の方が多かったものの、授業で習ったことを活かし、日本語と英語で面接官とやり取りしている姿からは、6ヶ月の努力の成果を垣間見ることができました。「心配だから」と言って2時間前に事務所に来た方がいるほど、就労先を探す難民の方々にとっては、貴重な機会となったようです。

面接終了後には、はじめて難民や外国人の面接をした企業から、「はじめは『難民』と聞いて警戒したが、彼らの高いスキルや豊富な経験に驚いた」、「自社が海外進出するビジョンが見えた」、難民の方々からは「はじめての企業面接を経験出来てよかった」、「すばらしい機会に感謝したい」などのポジティブな声が聞かれました。面接の結果、数名は年明けから、職場体験として、実際に現場に入り2、3週間働くOJT(企業内教育)に入る予定です。1年前に難民の方を採用したある企業からは、「次はエンジニアとして雇用し、今後の会社の未来を担える人材になってもらいたい」という声をいただきました。

難民にとっても、企業にとっても、双方が安心できる環境の実現を目指し、スタッフ一同引き続き活動していきます。

定住支援部 就労支援担当 犬井智朗

独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業


(2014年11月29日掲載)

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