シェルター支援-ホームレスになる難民、難民申請者の減少をめざして

後を絶たないホームレスになる難民たち

2013年は過去最高の難民申請者数を記録した年となりました。難民申請者数の増加に伴い、難民支援協会(JAR)にも多くの難民申請者が訪れ、様々な相談が寄せられました。

来日後まもなくJARを来訪する難民申請者は、その多くが日本での生活基盤がまだ固まっておらず、就労もできないため、経済的に困窮しています。また、日本に知り合いなどもいないため、入国して1週間程度は所持金でなんとか生活をしていたものの、しばらくするとそれも尽き、ホームレスになるケースが後を絶ちません。

JARでは、こうした相談者のアセスメントを行い、それぞれの人が抱える問題点や緊急性を見極めた上で、ニーズに沿った支援と、なるべく早くシェルターが提供できるように日々取り組んでいます。

7月から難民申請者対象の緊急時用シェルターとして関東圏に合計13部屋を確保しました。これにより、2014年1月末までの間に計31名の申請者にシェルターの提供を行いました。その多くが来日後まもなく難民申請し、所持金が尽きてしまい、ホームレスとなってしまった難民申請者でした。

シェルターの空室待ちの期間は、多い時で約10名がホームレス状態でシェルターの空室を待っていました。特に寒さが厳しくなる11月から2月にかけては、多くの難民が、事務所が開く10時から18時までの間、待合室で食事を摂るなどして過ごしました。事務所閉所後には、近隣のファーストフード店などで暖をとる、公園や駅などの屋外で寝袋を使って仮眠するなどして寒さをしのいでいました。早朝にファーストフード店が閉まった後には、行くあてがなく、難民支援協会の事務所のある建物内の階段の踊り場で寝袋を敷き、仮眠をとる人もいました。

(写真左:家がなく、食事もとれていなかった方に向けて、事務所で炊き出しも行いました。)

いち早くシェルターの提供が必要なケースも

シェルターの空室待ちをしている間に体調を崩す人も少なくありません。長時間座った姿勢でいることや硬い床の上で仮眠を取ること、また精神的なストレスなどによって、身体の痛みを訴えるなど、病院の受診が必要になるケースも多く見られました。

こうした中には、緊急性が高い例もあります。
Aさんという女性の場合は、来日後しばらくは知人宅に滞在していたのですが、知人宅を追い出されホームレスとなってしまいました。Aさんは、滞在先がなくなった時、相談のためにJARを訪れましたが、当時シェルターは満室。空室を待つ数日間は、都心のファーストフード店で夜を過ごすなどしてしのぎました。しかし、寒さと精神的ストレスのため徐々に体調が悪化。発熱するなどしたため、再びJARを訪れました。先の見通しが立たない中、夜間眠るところがない、また、安全に休める場所がないことは、大変な精神的ストレスとなります。特に女性がこうした状況におかれた場合は大変な負荷がかかります。Aさんの場合は、再度当会を来訪した時に、シェルターに空きが出たため、その日にスタッフがAさんをシェルターにお連れすることができました。Aさんは本当に安堵した様子でした。その後、暖かい部屋で安全に眠れることで、精神的にも安定し、徐々に体調も回復することができました。

JARに来訪する相談者の数は、総数で見ると女性2割、男性8割と、男性が多く、ホームレスになる女性は男性に比べると多くありません。しかし実際に女性がホームレスになり夜間に屋外で過ごすことは、危険な要因を数多く含みます。

難民申請者は増加傾向にあります。それに伴い、シェルターをより安定的に確保すること、ホームレスになってしまう難民申請者の数を少しでも減らせるよう、必要とする申請者にシェルターを提供できるような体制をつくることが課題です。また、スムーズにシェルターを提供できるよう、スタッフの確保や調整も重要になっています。

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