活動レポート
「母国では、責任と尊厳をもって仕事をしていました」
今週、初めて事務所にきた、アフリカのある国出身のポールさん(仮名)の言葉...
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日本に来て10キロ近く痩せてしまい、ベルトの穴が3つ、ずれてしまいました。母国では家も車もあり、責任と尊厳を持って仕事をしていました。弱々しくなった自分の体を見るたびにとても悲しくなります。国の公平な政治を求めて活動をしていたため、私は命を狙われ、すべてを捨てて日本に逃れなくてはなりませんでした。
日本での全財産はこれだけ。この2,000円も、道で見知らぬ人に事情を話して、いただいたものです。今日寝る場所はないし、働くことも許されない。この2,000円はいつまでもつでしょうか。
昨日も1食しか食べていませんが、先が何も見えない不安から食欲は湧きません。自分だけでは、どうにもできないのが悔しいです。こんなにも八方塞がりの状況は初めてですが、何とか乗り越えたいです。
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最近、JARの存在を知り、ようやく事務所に来ることができたというポールさん。すでにご自身で難民申請は済ませており、結果が出るまでの平均2〜3年を、どうやってサバイバルしていくか、生活支援担当のスタッフが相談に乗っているところです。
新たに相談に来る難民の方々の多くは、ポールさんのように、寝る場所・食べる物・お金・頼れる人が、文字通り、何もありません。JARでは、そうした方が凍死することのないよう、食べることができるよう、温かく過ごせるよう、できる限りの支援をしています。
4部屋ある事務所の相談室は常に満室で、その間、電話も鳴り止みません。相談の内容はポールさんのように、どれも厳しいものです。難民申請者数は昨年、ついに3,000人を超え、JARに助けを求めてくる方も増え続けています。
ひとり一人が、この厳しい寒さを乗り越えられるように支援を続けるため、皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
皆さまのワンアクションで救われる難民がいます。
*ご寄付はこちらから
(2014年2月5日掲載)
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