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もうすぐ公開!おすすめ映画『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』

吉山 昌
難民支援協会(JAR)事務局次長

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もうすぐ公開の映画『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』の試写会にJARスタッフも行ってきました。アメリカに移住したある難民たちの物語。年代を問わず共感を呼ぶ作品です。試写会にも子ども連れ、若いカップルから年配の方までさまざまな方がいらしていました。4月17日(金)公開!ぜひ、多くの方に観ていただきたく、JARからも紹介します。

スーダン内戦が生んだロストボーイズ(内戦による孤児)

2012年に開催されたロンドン五輪。国旗でなくオリンピック旗のもと参加した選手を知っていますか?グオル・マリアル。スーダン(現南スーダン領)出身の難民です。彼は、スーダン内戦を逃れ、16歳のときアメリカで難民として受け入れられました。ロンドン五輪には、スーダン代表としての参加を提示されましたが、家族28人を殺した国の代表にはなれないと拒否。独立した立場での参加が認められました。陸上競技は高校時代に始め、オールアメリカンにも選ばれています。

goodlie4.jpg『グッド・ライ〜いちばん優しい嘘』は、グオルと同じくスーダンを逃れた難民と彼らを取り巻く人々を、苦みもありながら、希望を持てる明るさで描いた映画です。幼い頃にスーダン内戦を逃れ、17年間、難民キャンプで暮らしていた3人の難民たち。彼らは、キャンプで暮らす難民をアメリカ各地で受け入れる、という計画のもと、移住のチャンスを得ます。マクドナルド、電話、ピザ...見るものすべてが新しい世界で、到着翌日から待ち受けていたのは就職活動。そう、渡航費用は働いて返さなければならないのです。英語が使える国であることは、日本と大きく違いますが、それでも仕事探しは簡単ではありません。言葉だけでなく、言葉の背景にある文化に通じていないと、働くことは容易ではないのです。JARは日本に逃れてきた難民の就労支援をしていますが、同じような経験をしています。

映画と同じように、日本も「第三国定住難民」といって、政府の計らいによって難民キャンプから難民を受け入れています。来日後、半年間の集中的な訓練を経ても、職場ごとに必要な日本語・就労文化への理解は当然十分ではなく、今も学習を続けています。また、第三国定住難民とは別に、自力で日本に逃れてきた難民もいます。半年間の訓練さえない状態で、生活のために仕事を探さなければならない状況ですので、よりスムーズに働けるよう、JARでは就労前トレーニングを提供しています。

難民の魅力がつまった物語

goodlie5.jpg同時に、仕事は人びとと触れあう場であり、社会とつながることができます。この映画では、3人がコミュニティの一員となっていく様子、そして同時に違和感も感じていく様子を常に優しい視線で描いています。家族や友人との別れも、難民の特徴です。渡米時に離ればなれとなってしまった姉、そして逃避行の際に連れ去られてしまった「チーフ」。難民の誰もが持っているであろう心の重荷も、この物語の大きな柱です。この3人は、オリンピックに出るほどの目立った存在ではありません。しかし、家族にとってはそれ以上の活躍を、物語の最後にすることになります。

『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』は文化の衝突をコミカルに描きながら、家族と離れ遠くに逃れた難民の悩みを伝え、一人ひとりの魅力も伝えています。苦さもありながら未来に希望を感じさせる物語です。近年、難民という言葉はほとんど「困難」「課題」としかつながらない状況が多くありますが、この映画を通じて、一人でも多くの方に魅力や夢、希望を感じていただければ、嬉しく思います。4月17日(金)公開です!「難民」というテーマに関心がなくても、心動かされる映画だと思います。ぜひ、友人や家族を誘って、観に行ってみてください。

*『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』公式ウェブサイトはこちら

執筆:吉山 昌(難民支援協会/事務局次長)

執筆者

※ 記事掲載時のプロフィールです

(2015年4月14日掲載)

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