本文へジャンプ

トップページ > 講座・イベント > 外務省NGO研究会「マイノリティ支援」公開シンポジウム開催のお知らせ

講座・イベント

外務省NGO研究会「マイノリティ支援」公開シンポジウム開催のお知らせ

*報告はこちらからご覧ください*

世界各国における人道支援においては、これまで緊急を要するために効率性のみが優先され、そのためにいわゆる可視化できる人=多数者(マジョリティ)を中心として事業が実施される傾向にありました。例えば、被災地で配給を行う際、健康な男性で、配給の列に並べる人のみが支援を受け取っており、マイノリティ(少数者)である女性(とりわけ保守的な文化の中で男性の同伴なしでは外出ができない等)、障がい者、子ども、高齢者、そもそも配給のチラシを読むことができない文字が読めない人など、様々なマイノリティが配給から漏れてしまうおそれがありました。

近年、そのようなマイノリティの視点をしっかり取り入れたうえで支援の事業計画の策定や実施を行う必要性が指摘されています。それを踏まえ、本年度は「マイノリティ支援」 と題したNGO研究会を実施し、4回のワークショップを開催してまいりました。

本シンポジウムでは、人道支援においてNGOが守るべき最低基準を示した「スフィア・プロジェクト・ハンドブック」が、2000年の発表からちょうど10年目の今年、2度目の改定版へと刷新されることが決まり、その改定過程において初めてプロテクションについての最低基準が独立した章として盛り込まれることになったことを受けまして、改定の要旨の紹介やスフィア・スタンダードの現場での実践を紹介しながら、これまでの成果を広く共有できるものとしたいと考えています。多くの皆様の幅広いご参加をお待ちしております。

概要
日時2011年1月29日(土)14:00?17:00
場所

JICA研究所 国際会議場

参加費

無料

定員200名 ※使用言語:日本語/英語(同時通訳あり)
主催外務省
プログラム

▼開会挨拶  
外務省
▼基調講演 「スフィア・スタンダードの改定とプロテクション」
Ed Schenkenberg ICVAコーディネーター               
▼パネルディスカッション 「人道支援におけるプロテクションの主流化―現場の事業における課題と機会―」
川原田 舞 ワールド・ビジョン・ジャパン 海外事業部 人道支援課 マルチラテラル・グラント・チームリーダー
桑名 恵 お茶の水女子大学 グローバル協力センター 客員研究員
長嶺 義宣 赤十字国際委員会 駐日事務所 所長
コメンテーター:Ed Schenkenberg
▼質疑応答
▼閉会挨拶

お申し込み

件名に「NGO研究会公開シンポジウム」とご記入の上、protection09@refugee.or.jpへお名前、ご所属、メールアドレスを送付ください。

お問い合わせ

認定NPO法人 難民支援協会 担当:石川・石井・櫻井
TEL:03-5379-6001
FAX:03-5379-6002
E-mail:protection09@refugee.or.jp

ご報告

難民支援協会(JAR)は1月29日、2010年度外務省NGO研究会「マイノリティ支援」の公開シンポジウム「スフィア・スタンダードの改定とプロテクション」をJICA研究所(東京・新宿区)にて開催しました。本シンポジウムでは、スフィア・スタンダードの改定趣旨を紹介するとともに、研究者や現場で働くNGO職員が参加したパネルディスカッションを通じて、人道支援の現場において新たな基準をいかに事業として反映させるかについて考えました。

開会挨拶では、外務省国際協力局民間援助連携室の倭島岳彦氏より、実際にスフィア・スタンダードの改定に関わった方からお話を伺えるということで楽しみにしている、また支援のクオリティをどれだけ高められるか、というのが日本のNGOの課題だと思っているなどのお話がありました。

基調講演では、スフィア・スタンダードの改定作業の「プロテクション」分野を中心的にコーディネートした当事者であるインターナショナル・カウンシル・オブ・ボランタリー・エージェンシーズ(ICVA)コーディネーターのエド・シェンケンバーグ氏より、「いかに最も援助を必要としている人に援助を届けるか」という人道支援に関わる者が直面している課題が、スフィア・スタンダードにプロテクションの章を設けることにつながったことなどについて、お話がありました。

続くパネルディスカッションでは、お茶の水女子大学グローバル協力センター客員研究員の桑名恵氏、ワールド・ビジョン・ジャパン海外事業部人道支援課マルチラテラル・グラント・チームリーダーの川原田舞氏、赤十字国際委員会駐日事務所所長の長嶺義宣氏、そしてエド・シェンケンバーグ氏がコメンテーターとして登壇し、JAR事務局長の石川えりがモデレーターを務め、「人道支援におけるプロテクションの主流化―現場の事業における課題と機会―」と題して意見を交わしました。

まず、モデレーターの石川より、現場もしくはアカデミックな立場からこれまでの経験を踏まえ、プロテクションと人道支援というのがどのように関わってくるのか、具体的事例やガイドラインを通じて考えて参りたいと挨拶がありました。続いて桑名氏より、緊急人道支援におけるプロテクションの意義と日本国内におけるNGOの実践の変化について現場でのご経験を通じてのお話がありました。また、川原田氏からはコンゴにおける事例を元に現場での具体的な実践を通じたプロテクションの実施について、長嶺氏からは赤十字国際委員会のプロテクションガイドラインについてそれぞれお話がありました。

4人のパネリストの発表終了後、シェンケンバーグ氏からは、(被支援者に)支援を提供するだけではなく権利を守らなければならないがそれが非常に難しいなどのコメントが出されました。また、会場からは多くの質問が寄せられ、パネラーから1つ1つの質問に対して回答がなされました。

最後に閉会挨拶では、司会進行を務めたJARの石井宏明より、個々のスタンドアローンな基準自体が重要であることは変わらないが、日本のNGOのキャパシティが上がっていると言われる中で国際的な流れや基準を知ることは重要とのコメントがありました。本シンポジウムには、約50名が来場し、質疑応答でも多くの鋭い質問が出されるなど、人道支援とプロテクションの関わりに対する参加者の関心の高さが伺えました。

この記事をシェアする

メールマガジン「JAR便り」

購読する

難民支援の最前線をお届けします。