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講座・イベント

祖国、難民キャンプ、そして日本。〜第三国定住を考える〜

*報告はこちらからご覧下さい*

今年20年ぶりの総選挙を控え、軍事政権から民主化プロセスが問われているミャンマー(ビルマ)。
1984年以来続いている難民問題は未だに解決の目途が立たず、現在でもタイ国境の9カ所の難民キャンプには約14万人が滞留しています。
その難民キャンプから、アジアで初となる試みとして、日本は、新たな難民受け入れ制度(第三国定住)を開始します。

9月末には、第一陣となる約30人のミャンマー(ビルマ)難民が、難民キャンプから来日する予定です。

難民キャンプで2000年より教育支援活動を行なっているシャンティ国際ボランティア会(SVA)と、日本での支援活動を専門とする難民支援協会(JAR)はセミナーを共催することになりました。

難民問題が起こった背景を確認しつつ、キャンプの様子や遠く離れた日本に移住する難民の人々の思いをお伝えするとともに、日本の難民受け入れの現状や課題について、トータルに考える機会としたいと思います。
ぜひご参加ください。
   

         svaphoto.jpg jarphotos.jpg
         カレン人の女の子たち          日本に暮らす難民の家族
         (撮影:渋谷敦志)

概要
日時2010年10月5日(火) 1)14:00?16:30  2)18:30?21:00   *1)2)の内容は同じです。
場所

桜美林大学 四谷キャンパス 地下ホール
(JR、東京メトロ南北線・丸の内線「四ツ谷」駅 徒歩3分)

参加費

1,000円
SVA会員チャイルド・ブック・サポーター(CBS)JARの難民スペシャルサポーターは無料
*桜美林大学の学生は半額 

定員各回80人
締切

定員になり次第

お申し込み

こちらのフォームよりお申し込みください。

共催

社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)svalogo.jpg
認定NPO法人難民支援協会(JAR)jarlogo.jpg

協力

桜美林大学大学院(国際協力専攻)

内容
・ ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの背景と現状
・ SVA の事業   (SVA 海外事業課アシスタント 山室仁子)
・ 第三国定住制度における日本の支援内容
・ 難民を取り巻く日本の現状と課題、そしてこれから   (JAR 常任理事 石井宏明)
・日本に暮らす難民の方にもお話をいただく予定です。

*当日の様子を、Twitterにて簡単に中継する予定です。
ハッシュタグは#daisankokuです。


お問い合わせ:

シャンティ国際ボランティア会(SVA)
鎌倉(かまくら)
Tel:03-5360-1233  Fax:03-5360-1220
Email: pr@sva.or.jp

難民支援協会(JAR)
鹿島(かしま)
Tel:03-5379-6001 Fax:03-5379-6002
Email: info@refugee.or.jp

*個人情報につきましては、SVA、JARの活動のご案内目的以外では使用いたしません。


報告

シンポジウム当日は平日であったにもかかわらず、午後と夜間両方の回で100人以上の皆さまにお越しいただき、第三国定住の意義や課題などについて議論が行なわれました。


*第三国定住の詳細はこちらからご覧下さい。


これまでタイの難民キャンプで生活してきた難民は、これから日本の言語や文化を学ぶと同時に生活を確立するための住居や仕事、子どもたちの教育も確保しなくてはなりません。日本政府としても受け入れにあたっての支援を行っていますが、来日した難民がどういう状況から逃れてきてどのような生活を送ってきたのか、これから日本でどういった状況におかれ、どのような変化を経験するのか、私たち一人ひとりも含め日本社会全体として理解し、考える必要があります。

まず、シャンティ国際ボランティア会(SVA)の中原氏が、SVAの活動、ミャンマー(ビルマ)から難民が生まれた背景、難民キャンプでの現在の難民の生活や、キャンプ内での支援体制などについて説明しました。SVAは、ミャンマーとタイ国境に9箇所ある難民キャンプのうち7箇所で活動しており、カレン民族も数多くいます。新しく来る人と新生児とでキャンプの人口は増加傾向にあり、12歳以下の子どもが4割を占めます。子どもたちは、母国よりも安全ではあっても制限の多いキャンプの中で育つため、SVAは、難民自身による運営委員会やタイ政府とともにキャンプのコミュニティと教育の場として図書館を運営している、と紹介がありました。

また、第三国定住の出国前研修に携わった同団体の山室氏から、「難民は出身国に帰国することを望んでいるが、彼らがあえて第三国定住を希望する理由には、キャンプでは生まれ育った子どもの将来を切り拓けないという問題などがある」とし、「その中で、日本が第三国定住を進めるためには来日する難民のニーズを捉えつつ、日本とはどういう国なのかキャンプに住む難民に積極的に伝える必要がある」ことを指摘しました。

続いて、難民支援協会(JAR)の石井が、「第三国定住で来る難民も、様々な理由により異なったプロセスを経て逃れてくる難民の一部である」と述べた上で、すでに日本にいる難民、難民申請者の生活や支援について話しました。1982年の制度開始以来、8,600人以上が難民申請をしていますが、ここ2?3年は年間の申請者数が1,000人を超えており、近年の増加が顕著です。一方、人道配慮による在留許可を中心に、難民申請の結果として保護を受ける人は増加していますが、国籍はミャンマーに偏っているなどの課題があります。また、平均2年以上にのぼる難民申請期間に受けられる公的支援が限定され、就労許可を付与されない人もおり、最低限の生活すら確保できないなど、多くが大きな不安や困難を抱えています。

ここで、実際に難民として逃れ、20年近く日本で生活しているミャンマーの少数民族の方から、経験談をお話いただきました。映画などで見ていた日本のイメージと実際は全く異なり、日本語などの支援や難民申請に関する正確な情報もないため、最初は特に苦労が多かったこと、夫がオーバーステイのため長期間収容され、幼い子ども3人を1人で抱えていかなければならなかったこと、在留資格を得て自由を感じたが子どもは実質的に「無国籍」状態にあり、将来が心配であること、しかしそのような中でも、日本に暮らす難民全体の状況が良くなるよう自分にできることをしたい、「日本に住めることを感謝しているので、その恩返しとして日本社会の力になりたい」と語りました。

それらを踏まえて、再び石井が今回の第三国定住による受け入れについて、話を進めました。「第三国定住のプロセスに対しては様々な問題が指摘されているが、他の国では難民の受け入れ数が減少している中で日本がこの政策に踏み切ったことは十分に意義がある」と述べた上で、今回のパイロット期間をいかに今後に生かしていくか、政府だけでなく自治体やNGO、そして日本社会全体がこの試みに関わって難民を隣人として迎え入れることを考えていく場が必要だと訴えました。そして、第三国定住で来る難民と第三国定住以外の方法で日本に来る、あるいは既に来た難民との間に格差が生じてはならないということを強調しました。

講演後は参加者から「来日してから行なわれる語学研修は6ヶ月で足りるのか?」「6ヵ月後間の公的支援が終わった後に難民はどう暮らしていくのか?」といった第三国定住に関する議論から「難民は母国のために政治活動を自由に行なうことができるのか?」といった難民全般にかかわる議論まで多くの質問が寄せられました。

当日は、twitterにて簡単な中継を行いました。こちらからご覧いただけます。

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