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講座・イベント

難民アシスタント養成講座・基礎編(2010年2月)の報告

開催日: 2010年2月13日(土)・14日(日)10:00-17:00
会場: パナソニックセンター東京
特別協賛: パナソニック株式会社
協賛: UNHCR(国連難民高等弁務官) 駐日事務所
協力: NTTコミュニケーションズ株式会社

遠方から泊りがけで来られている方もいらっしゃるなど、今回の講座も多くの方にご参加いただき、盛況でした。参加者のバックグラウンドも様々で、これから難民について学びたいという学生、会社員の方々のほか、実際に職場や海外でのボランティア活動などを通して難民と接する機会のある方もいらっしゃいました。

1. イントロダクション (講師:鹿島美穂子/難民支援協会職員)

講座全体のイントロダクションとして、これまでの日本の難民を取り巻く状況の変化や現行の制度、日本で生活する難民の生活について解説し、この「難民アシスタント養成講座」が日本における難民への理解・支援の輪を広げるきっかけとなることが、講座の目的であることが説明されました。

2. 国際難民法 (講師:伴めぐみ/難民支援協会職員)

難民について学ぶにはまず、国際法上で「難民」がどのように定義されているかを知ることが必要です。講師からは、難民の定義に当てはまる人々は、難民条約とその他の人権条約によって、難民でない人と同じように様々な権利が保障されるよう決められていることが説明されました。

しかし、日本では難民申請者が収容されたり強制送還されたりするという事態が起きており、国際法が必ずしも尊守されていないという現実、そして支援スタッフとして実際に関わった例が話されました。

3. UNHCRの活動と役割 (講師:金児真依氏/UNHCR駐日事務所 法務官補佐法務担当)

UNHCR駐日事務所は、日本政府による難民保護が適切かつ効率的に行われているか監督しています。また、国際基準に従って難民認定基準が行われているかを判断し、政府に働きかける他、難民支援協会のようなNGO団体との業務提携をしています。

受講生からは、「全世界どこで難民申請をしても難民が守られるべきガイドラインの作成を!」という熱い意見もあり、質疑応答も白熱したものでした。

4. 日本での難民支援の現状‐生活支援の実務 (講師:川勝健司/難民支援協会職員)

日本の難民にとって特に必要とされるのは「医・職・住」の支援であること、そして日本の難民保護制度の不完全な点が説明されました。

また、難民支援協会として支援を行う際の心得も共有されました。

質疑応答では、実際に難民と接する経験のある受講者からの質問が挙がり、難民との接し方やより良い支援の仕方について講師にアドバイスが求められました。

5. 日本での難民保護制度と日本での難民支援の現状 (講師:関聡介氏/弁護士)

実際に講師に寄せられた難民からの相談を複数列挙し、彼らが難民認定されるよう支援していく過程を実際の難民申請書類を用いて学んでいく形式で進められました。これによって、難民認定手続について理解を深めるだけでなく、制度の様々な問題点を受講生が自ら発見することができました。

実際に難民申請手続きに携わっている弁護士の声を聞き、受講生の方々には、難民認定されることの難しさを実感してもらえたようでした。

6. 難民の話―日本に来るまで、来てから (講師:ミャンマー(ビルマ)出身難民)

これまでに学んだ難民を取り巻く様々な状況をもとに、実際の難民の体験談を聞いていただきました。

日本に来てからの苦労だけでなく、これからの目標などの話もあり、前向きに生きる難民の姿を知っていただく機会となりました。

7. 難民支援の現状・展望 (講師:石井宏明/難民支援協会事務局長次長)

最後の講義のテーマは、「私たちにできること」を発見することです。

受講者からは、「学生の難民支援のボランティアネットワークを作って、啓発活動などを行う」、「地域で難民が孤立しないように、日本語を教えたり、文化交流の会を開いたりする」、「外国人支援のセミナーなどに難民も取り上げてもらう」といった具体的な意見から、「難民が日本で未来を描けるような社会を作りたい」、「官から民ではなく、民から官で国を変えていくべき」といった熱のこもった声も聞かれました。

2日間の講座での実例を交えた講義やディスカッションを通し、受講生達はそれぞれ「自分にできるなにか」を考え、見つけ、「もっと難民について学びたい」と新たな想いを抱くことができたようでした。

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