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講座・イベント

在日難民と医療に関するワークショップ(2008年)

昨今、さまざまな理由により、治療を受けられない難民が増加しております。そこで、日本の難民の医療面における現状、制度上の課題等について事例研究を通じて話し合う場を持つため、医療関係者やソーシャルワーカーの皆さまとのワークショップを行いました。

ワークショップ概要
日時第1回:2008年5月31日(土)
第2回:2008年7月5日(土)
第3回:2008年9月6日(土)
いずれの日も13:30?16:00
参加費

無料

参加の条件

このワークショップでは、治療を受けられない難民の医療面における現状や制度上の課題について情報共有・意見交換を行いますので、医療関係者やソーシャルワーカーの方を対象とさせていただきました。

協賛

2007年度ファイザープログラム ?心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援

ワークショップの報告

昨今さまざまな理由により、治療を受けられない難民が増加しています。 そこで、日本の難民の医療面における現状、制度上の課題等について事例研究を通じて話し合う場を持つため、ファイザープログラムの助成により医療関係者やソーシャルワーカーの方々とワークショップを実施しました。のべ64名にご参加いただき、毎回熱心に耳を傾けてくださいました。

第1回では、難民支援協会スタッフより日本の難民の現状について報告後、特に最近精神的な健康を損なう難民が増えていることに鑑み、当協会顧問で精神保健福祉士の森谷康文氏より難民の健康状態とそのリスクについてご報告していただきました。

難民が母国で心に傷を負ってきたケースについて森谷氏は、「本当に深刻な問題。支援団体ひとつ、もしくはひとりの人が抱えて解決できる問題ではない。専門家にも相談することが重要です。その際、言語の問題が重要なので、難民の話す言語で対応できる団体・機関との連携が大切である」と述べました。

続く第2回では、実際に日本の医療機関に掛かったことのある難民にお話していただきました。医療費や在留資格等の理由から受診を断られ、そのためにとても辛いご経験をなさったそうです。報告の最後に、「病気や医療にはビザがあるとか無いとか、国籍は関係ないと思う。病院がどういう風に対応してくれるのか分からなくて病院へ行くのが怖い。病院の人やソーシャルワーカーがどのように考えてくれるかが問題だ」と強いメッセージをいただきました。

最後の回では、実際に医療現場に従事している助産師で聖路加看護大学大学院の藤原ゆかり氏、慈生会病院で医療ソーシャルワーカーをなさっている小杉知子氏よりご報告いただきました。

家族をもつ難民が増えており、昨年あたりからひそかなベビーブームが起きている一方で、通院・出産時の対応など、難民と医療関係者の双方に言語の問題などから戸惑いが見られることも多いです。そのため、藤原氏より外国人の出産の現状や課題についてお話いただき、医療機関における外国語対応の遅れや通訳との連携不足という課題が挙げられました。藤原氏は「ひとりだけでは全ての問題を解決できないと気づくことが大事。問題を整理し、病院内外の社会資源を活用して役割分担をしていくとよい」と主張しました。

また、小杉氏からは、受診の際の難民との関わりや慈生会病院の事業についてご報告いただきました。「難民は低所得なのに、(無保険のために)高負担という悪循環に陥ってしまっている。今後も医療ソーシャルワーカーとして、無料低額診療事業を行っている病院の活用の呼びかけや院内での啓蒙活動により、難民支援への理解を深めていきたい」と強調。

今回のワークショップは全3回で終了となりましたが、参加者からは「今後も継続的に勉強会を実施してほしい」、「同じワーカーでも自分の専門以外には無知で、興味があまり無い人が多いと思う。難民に対しても関心が広がるよう、手始めに自分の同僚に今日の話をしたい」との声を聞くことができました。

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